緘黙に関する和書

かんもくって 何なの!?: しゃべれない日々を脱け出た私
場面緘黙症を経験した女性が、緘黙やいわばその後遺症で長い間苦しみながらも、同人漫画活動を通じて人生が救われるまでを描いたコミックエッセイです。 機能不全家族についても描かれています。人によっては、少し刺激が強いかもしれません。 pixiv というイラストコミュニケーションサービスで好評を得た作品の書籍化です。 ブログで取り上げています。
私はかんもくガール: しゃべりたいのにしゃべれない 場面緘黙症のなんかおかしな日常
緘黙を経験した女性イラストレーターによる、自伝的コミックエッセイ。 140ページの内容のうちほとんどがエッセイですが、ところどころで、かんもくネット代表(臨床心理士)による解説があります。 ブログでもご紹介しています。
君の隣に―緘黙という贈り物
さくらかよさんの勇気ある手記です。 この本は、『保育用語辞典』や、以下の学術論文にも引用されたことがあります。中村亜紀子 (2006). 新しい色を作り出すことが好きな場面緘黙女児とのプレイセラピー-枠と色彩の世界から主体性を見出していく過程-, 別府大学臨床心理研究, 2, 24-34.
あなたの隣の話さない人-緘黙(かんもく)って何?-
書籍としては電子書籍のみの販売のようです。著者は緘黙経験者で、著作多数。 著者の緘黙経験と独自の取材を織り交ぜた内容です。 一部にショッキングな内容があるので、ご注意。 ブログでご紹介していますが、 現在出ているのはそれに投薬に関する内容を追加し、縦書きに改めた改訂版です。
こんな子きらいかな? (3) やましたくんはしゃべらない
各種メディアで取り上げられています。 毎日放送(MBS)京都新聞IRORIO。 緘黙と言えるかどうかは議論が分かれるところだろうと思います。

緘黙以外の和書

歌え、翔べない鳥たちよ―マヤ・アンジェロウ自伝
マヤ・アンジェロウ。 詩人、教育者、歴史家、作家、女優、劇作家、人権活動家、プロデューサー、ディレクターなど様々な肩書を持つ米国の女性です。 11年には米市民に与える最高位の勲章である「大統領自由勲章」をオバマ大統領より授与されています。 そのアンジェロウ氏の自伝です。 アンジェロウ氏は、同書以外にも 『ぼくはまほうつかい』 『星さえもひとり輝く』 『私の旅に荷物はもういらない』 ほか著書多数。
グレタ たったひとりのストライキ
グレタ・トゥーンベリさんは、10代ながら、世界的に有名な環境活動家になった方です。 鬱を経験し、アスペルガー、強迫性障害、そして場面緘黙症(正式には選択性緘黙)の 診断を受けた過去があるそうです。 詳しくは、ブログでまとめています。⇒グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)さんまとめ
〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。: スペックゼロでお金と仕事と人間関係をめぐって考えたこと
「レンタルなんもしない人」さんは、場面緘黙症だったと話されています。 「レンタルなんもしない人」さんにはこの他、『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』という著書があります。
私の男 (文春文庫)
直木賞作家の桜庭一樹さんは、「子供のころ、場面緘黙(かんもく)症という症状で、しゃべれなかった」そうです。 ご自身が、『週刊文春』2018年10月18日号掲載の記事の中で書かれています。 『私の男』は直木賞受賞作で、映画にもなりました。 桜庭一樹さんは他にも著作多数。
10代の時のつらい経験、私たちはこう乗り越えました (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
描き下ろしとして、ご本人が「場面緘黙だったころの話を載せています」とのこと。一部ページに収録されています。⇒情報源。 著者のしろやぎ秋吾さんは、Instagramなどで漫画を描いていらっしゃいます。 NEW!
このマンガがすごい! comics BREAK THE BORDER rebirth of ECHOES (このマンガがすごい!Comics)
作者の歩さんは、小学3年生ぐらいから、「学校へ行くと誰とも話せない」ようになったそうです。 この記事に書かれてあります。
【Amazon.co.jp 限定】ぶぶちよ絵日記(特典:描きおろし漫画特別編&壁紙ダウンロード配信)
作者のぶぶちよさんは、小学生の頃、「挨拶もできず、何かを伝えようと思っても声が出てこな」かったそうです。 この記事に書かれてあります。

プレゼンテーションの技術―言葉だけでは人を動かせない
田村尚さんは当時、博報堂の第二営業局長(後に取締役)。 第4章では、著者の少年期から博報堂に入社して間もない頃までのことが書かれてあります。 この中で、「場面緘黙」「対人恐怖症」「自閉症」といった言葉が何度か出てきます(自閉症については、「自閉症気味」「自閉症的性格」とも)。 こうした方が、プレゼンテーションの本を著したというのが興味を引かれます。 田村さんには、他にも共著などがあるようです。ブログの中でも触れています。
桂あやめの艶姿ナニワ娘
落語家の桂あやめさん。幼稚園から小学3年まで場面緘黙症と思われる症状を経験したとして、緘黙をテーマにしたテレビ番組にゲスト出演されたそうです。 130~131ページに、緘黙のことらしき話が載っています。ただ、このときはまだ緘黙をご存じなかったと見られ、「緘黙」の文字も見えません。
こりずに毎日やらかしてます。発達障害漫画家の日常
漫画家の沖田×華(おきたばっか)さん。アスペルガー(最新の DSM の診断名だと自閉症スペクトラム障害)の二次障害としての緘黙だったそうです。 episode.13「声が出なくなる時」(81-86ページ)と、スペシャルコラム「場面かん黙のこと」(87ページ)で緘黙を取り上げているようです。 沖田さんに現れる緘黙症状は、典型的なそれとは違うのではないかと私は思います。ですが、こうした症状で悩む方もいらっしゃるという事実は重いです。 この本の緘黙についての描写は、ウェブサイト「まんが王国」のウェブ広告に掲載されました。
ガキのためいき(3) (KCデラックス)
『ガキのためいき』は沖田さんの自伝的作品です。 第31話で場面緘黙症が取り上げられました。おそらく第3巻収録ではないかと思います。 沖田さんは、これら以外にも 『ニトロちゃん』 ほか著書多数。
107小節目から
大島恵真さんは、『107小節目から』で第58回講談社児童文学新人賞佳作入選。 かつてのペンネームは「大島理惠」さんで、この名義で『つばさ (文研ブックランド)』という著書もあります。 Twitterで、小学校高学年まで緘黙だったと語られています。
伊藤育子のスマイルメッセージ―県議会議員活動の記録
伊藤育子さんは、元静岡県議会議員。同議会で、女性としては初めて副議長に就任した方です。かつて場面緘黙症だったそうです。 情報源1⇒2018年7月7日開催第26回文化大学伊藤氏講演会資料(PDF、米沢有為会ホームページ)。 情報源2(リンク切れ)⇒「『地方議会と女性』を問う」(2015年2月18日)『中日新聞(CHUNICHI Web)』
CRP JAPAN TOKYO 2016 Night Falls On The Street / 東京
写真作家の山本恭子さんも、緘黙だったそうです。 2017年8月には、東京都美術館で行なわれた公募展「ZEN展」で緘黙をテーマに展示し、優秀賞を受賞されています。 2017年10月には、緘黙についての写真集も出されたそうです。⇒ その写真集。山本恭子さんのウェブサイトへのリンク
ドラえもん はじめての英語ドリル 1: アルファベット・フォニックス・ローマ字
日本語ナレーションを担当する AIRIさんは、緘黙を経験された方です。 YouTube で公開された動画「場面緘黙(かんもく)を知ってください3」のナレーションでもお馴染み。 AIRI さんは、他にもたくさんの本のナレーションを担当されています。⇒ AIRI さんブログ
一色真理詩集 (新・日本現代詩文庫108)
詩の世界などで活躍されている一色真理(いっしきまこと)さんは、幼稚園から小学校卒業まで緘黙だったとおっしゃっています。 この本の表紙に掲載されている「心」は、入学以来ひとことも口をきかぬ男児をめぐる詩で、1979年7月30日初版発行の詩集『純粋病』にも掲載されていたそうです。 このページで、「心」を含む『純粋病』収録作を読めます。 一色さんの著作は、ほかにもエヴァなど多数。
花に乗せて
場面緘黙症など心の問題を乗り越えた夏川由衣さん。出版社に詩を投稿し、佳作賞を受賞しました。 夏川さんは、ほかにも 『あなたに届けたい言葉心からあなたに届けたい』という詩集を出しています。
半径5メートルの野望
人気ブロガーで、作家や、テレビ番組のコメンテーターなどでも大活躍されているはあちゅうさん。場面緘黙症だったようです。⇒はあちゅうさんの証言。 はあちゅうさんは、このほかにも数多くの本を出しています。

音楽CD、デジタルミュージック

⇒ 「音楽」のページをご覧ください。

緘黙に関する洋書

Charli's Choices
『チャーリーの選択』 絵本です。緘黙の女の子・チャーリーちゃんに選択肢型の質問をして、発話を促します。 作者はニューヨーク州認定臨床ソーシャルワーカーの Marian B. Moldan 氏 と、イラストレーターなどをされている Toby Allen 氏。 Moldan 氏は、緘黙経験者でもあります。 Kindle 版もあります。 ブログで取り上げています。
Unspoken Words: A Child's View of Selective Mutism
著者は、米国の緘黙児支援で有名な Elisa Shipon-Blum(エリザ・シポンブラム)博士の娘さんであり、また、緘黙経験者でもある Sophia さん(脳科学専攻の大学生)です。 本の構成は大きく3つの部分に分けることができます。 (1)様々な場面での緘黙児の気持ちを描いた絵本のような部分(Sophia Blum さん作、34ページ)。 (2)Sophia さんの子どもの頃の緘黙経験(Sophia Blum さん著、13ページ)。 (3)母親から見た幼少期から今日に至るまでの Sophia さん(Elisa Shipon-Blum 博士著、19ページ)。 ブログでも取り上げています。
I Have Something to Say!: An exploration into the heart and mind of my selective mutism (English Edition)
『私には言うことがある』 ニュージーランドの緘黙経験者が書いた本です。 著者のウェブサイトがあります。
The Girl Who Doesn't Talk: Beyond Shy - A Journey Through Severe Social Anxiety Disorder
米国の緘黙体験記です。大学を出て以降の話が全体の半分以上を占めています ブログで感想を書いています。
Slipping in and Out of My Two Worlds
英国在住の女性による緘黙体験記です。ストーリーは、著者の誕生に始まり、18歳の頃に終わります。 著者は Facebook、Twitter などインターネット上でも活発に活動されています。< この本を読んだ感想をブログにまとめました。
Why Doesn't Your Sister Talk?: Selective Mutism and Me: My Story
『なぜあなたの妹(姉?)は話さないの:場面緘黙症とともに生きる』 場面緘黙症を経験された方の手記です。 Kindle 版もあります。
After Zero
『アフター・ゼロ』緘黙がある人物が主人公の子ども向けフィクション。著者は緘黙を経験された方です。 著者へのインタビュー記事があります。⇒Q&A and Cover Reveal: After Zero by Christina Collins

Gritos do Silêncio: Uma história de superação e cura do mutismo seletivo (Portuguese Edition)
『緘黙の叫び-緘黙を克服、治った話』 緘黙の経験者が書いた電子書籍です。 緘黙が治った実話を報告した、ブラジルでは最初の本だそうです。

緘黙以外の洋書

Making Marion: Where's Robin Hood When You Need Him?
フィクションで、極めてシャイな少女が主人公の話だそうです。 詳しくは、このページ(英語)に書かれています。

アジアの本

Silence Is Not Golden (English Edition)
シンガポールの緘黙の男性が書いた本です。 主に著者のこれまでの人生を、緘黙を軸に振り返っています。 英語で書かれています。 もともとは、2016年12月に、シンガポールで紙の本として出版されたものです。 2020年6月に電子書籍化され、日本でも手に取りやすくなりました。 ブログで取り上げています。⇒シンガポールの緘黙の男性が書いた本 NEW!
不說話的女孩:雖然我們有選擇性緘默症,但是有話想說 (Traditional Chinese Edition)
台湾の本です。大学生と大学院生の友人同士が著者です。 ブログで取り上げています。⇒日本出身の緘黙当事者が、台湾出身の当事者と共著
(06/25/2021)