場所、人、活動(people, places, activities または location, people, activities)

概説

緘黙児が示す一般的な発話パターンを3つの要素から見たもの(McHolm et al. 2004/2007)。

コメント

カナダの本より

初出は、カナダの本 Helping Your Child With Selective Mutism (2005年)ではないかと思います。 location, people, activities として登場します。

どういった「場所」でどの程度話せるか、 どういった「人」とどの程度話せるか、 どういった「活動」でどの程度話せるか。 これは緘黙児によって違います。 「場所」「人」「活動」は、このように多様な緘黙児の発話状況を検証したり、 その子に合わせたステップで発話を促す手順を組み立てたりするのに、役立てられます。

日本では、2007年にカナダの本の邦訳が出版され、この考え方が知られるようになりました。 『場面緘黙Q&A』 (2008年)や 『学校における場面緘黙への対応』 (2017年)では、「人」「場所」「活動」として繰り返し出てきます。

近年、アメリカでは

日本ではあまり知られていませんが、近年、アメリカの Steven Kurtzh 博士や、 同博士に影響を受けた Child Mind Institute のワークショップなどでも同様のことが説かれています。 ここでは people, places, and activities とされます。

自己流の解釈

私は、緘黙児者が話せない「場面」を分類したものが、「場所」「人」「活動」だという自己流の解釈をしています。

「人」は話し相手のこととされることが多いですが、相手が誰かという「質」だけでなく、 相手が何人いるかという「量」にも注目すると面白いのではないかとも思います。