フルプレイ動画part1「オープニング」

動画(12分15秒)

※ 再生後、動画の下段に設定ボタン(歯車)が表示される場合、画質などを調整できます。最高720pの高画質で見ることができます。

コメント

冒頭のマーク・トウェインの言葉(1分0秒頃~)

勇気とは、恐怖心を抱かないことではない。 恐怖心に抗うことであり、 恐怖心に打ち勝つことである。

この言葉は、参考文献に挙げているイギリスの緘黙治療マニュアル The selective mutism resource manual(第2版) の冒頭で引用されています。

このイギリスのマニュアルは、このゲームのテーマでもあるスモールステップの取り組みの方法等を示したものです。 取り組みでは、緘黙児者が不安を少しだけ感じる場面で、遊びを取り入れるなどして不安に身を曝させます。 緘黙児者にとっては、負担は大きくならないやり方です。

ですが、このような言葉が引用されているということは、それでもなお、緘黙児者が勇気を振り絞らなければならない場面が、取り組みでは出てくるのだろうと思います。

なお、緘黙児者に勇気を出せと単にけしかけるだけでは、声は出ません。 また、緘黙児者は勇気がないから話せないわけでもありません。

スモールステップの取り組みを拒否(8分27秒頃~)NEW!

動画では、ぴちぴちはスモールステップの取り組みを提案された際、それを一旦拒否しています。

それに対してぶにゅう先生は、「私は、その子に気持ちが芽生えるまで待つ主義だ」 「その時が来たら、また私のもとに来るがよい」と対応しています。

この箇所は、最新版では変更されています。次の三点を反映したものとなっています。

  • 緘黙児者が治療を拒否しようとした場合、その背景には、緘黙特有の強い不安があることも考えられるのでは
  • 治療の同意にあたっては、治療を行なう側がその内容について説明する必要があるのでは
  • 10歳の子どもが独断で治療を拒否できるのか、保護者の判断が重視されるのでは

これらは思い付きではなく、 The selective mutism resource manual(第2版) を参考にしています。

教室内での様子(2分24秒頃~)

ぴちぴちの座席は、なんと最前列です。これは、緘黙児にはあまりいい席ではありません。 教師の接し方も最悪です。

同級生からひどく言われるぴちぴち。 「返事がない、ただのしかばねのようだ」は、ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの有名なメッセージからです。 私も「生体反応なし」と笑われたことがあります。 ただ、実は大半の同級生は、ぴちぴちに特に関わろうとはしていません。

ぴちぴちは、教室内を歩くとき歩行速度が遅くなっています。 不安を感じる場面では動作が緩慢になることを表現したつもりですが、気付いていただけたでしょうか?

スモールステップの取り組みに入るのが早すぎる(7分0秒頃~)

相談機関の専門家にたどり着き、スモールステップの取り組みに入るまでの過程は、かなり早回しにしています。 実際は、取り組みに入るまでの各段階で時間がかかります。

※ 取り組みに入るまで

  • 専門家を見つける
  • 予約待ち
  • 専門家による、緘黙児へのアセスメント実施とラポートの形成

なお、スモールステップの取り組みは、専門家にかかったり、ちゃんとした本を読んだりして実践したり学んだりしましょう。

ピックアップ!敵の名前

ミュー子
mute(ミュート)をもじった名前。 テレビなどで無音のことを「ミュート」と言いますが、それと同じです。 場面緘黙症は、英語で selective mutism(セレクティブ・ミューティズム)と呼びます。