旧掲示板過去ログ


場面緘黙症Journalトップへ


3 件の記事    1   
題名: 困っています、大学院生の場合
投稿日時: 2012-06-11 12:57:54
User avatar

登録日時:
投稿記事数:
大学教員です、
昨年他大学より入学してきた院生のことで、大変困っています。
どう対応したらいいのでしょうか。

彼女はもう入学して一年になります。最初からちょっと変だなという感じはしました。これまでの状況です。
1)遠方からの受験のためか通常だれもがする研究室訪問がなかった。しかも、メイルをなんどか送ったが、全く返事がなかった。
2)初回のゼミで卒論の研究内容の発表を全員がするのだが、10分以上固まったまま発声できなかった。
3)一対一の研究指導の際、うつむいたままでほとんど発声が無く、首を縦に振るか横に振るかで、非常に小さな声で、わずかにしか返答してくれない。
4)休みが多く、ゼミなどでも居眠りが大変多い、自身からは絶対に研究の相談に来ない。
5)親御さんにも連絡し、学内の学生相談室、メンタルヘルスなどと連携し、本人、指導教員(私)両親と精神科医師とで面談があり「発達障害」との診断を受けました。現在、学生相談室には毎週通っています。メンタルヘルスは、数回行きましたが、その後休んでいます。

臨床心理士からは、「本人はとても幼いので彼女のペースで対応してくれ」と言われます。
精神科医からは、「やるべき事を細かく決めてあげると、繰り返しはできるのでそういう研究テーマに」と言われました。
しかし、とにもかくにも、話し合いが成り立ちません。
呼び出しても、私が一方的に話すだけになってしまい、何一つ物事が決まりません。
研究室には、4月に下級生が入学してきました。彼らとのコミニュケーションもまったくといってありません。
入学試験の成績は悪くはありませんでしたが、研究上必要な論文がきちんと読めているかというとそうでもありません。

入学させた以上、きちんと面倒を見るべきかとは思いますが、大学院生は彼女一人ではありません。

場面緘黙と発達障害とは別ということになっていますが、両者が共存する場合もあるのでしょうか。
また、成人になってしまって、多分これまで何らのサポートがなく来てしまった場合、どう対応したらいいのでしょうか。

いろいろ調べましたが、子どものことがほとんどで、情報が少なく大変苦慮しています。


題名: お役に立てれば・・・・
投稿日時: 2012-06-11 17:20:22
User avatar

登録日時:
投稿記事数:
はじめまして

ざっとですが拝読いたしました。お困りのようですね。

お忙しい上、他の院生も多数いらっしゃるというのに、わざわざ場面緘黙などというマイノリティーのことについてお調べになってくださるとは、大変恐縮です。それだけでもありがたいことだと思っています。緘黙の認知度が極めて低い中、その院生さんも、あさださんのような奇特な方と出会えるとはなんとも恵まれていらっしゃるなあと感じます。まずはその学生さんに代わって感謝申し上げます。

具体的な援助の方法に関しましては、他の方にご詳述いただくとして、私にお答えできる範囲で申し上げます。手短で恐縮です。
※私は専門家ではなく、100%の正確性は保障できない旨をご了承くださいませ。


さて、

場面緘黙と発達障害とは別ということになっていますが、両者が共存する場合もあるのでしょうか。

とのことですが、

文面を見て、おそらく広汎性発達障害のことをおっしゃっているのだろうという前提で申し上げます。


●共存に関して


診断名ではなく、両者を「症状」と見た場合、共存はありえるだろうと思います。

診断名ではなく」と申しますのは、
実は、広汎性発達障害の診断が下されている場合は広汎性のほうを優先し、場面緘黙の診断は下せないという決め事があるからです。
つまり、広汎性が上位診断としてあり、緘黙症状はあくまでも広汎性の症状から分岐した2次障害という扱いになるということです。
従いまして、診断上は場面緘黙ではありません。

ただし、これはあくまでも学会がその当時の情報を元にした上での「決め事」ですので、
将来においても緘黙の診断が除外されるという保障はありません。
むしろ、広汎性に注目しすぎるあまり緘黙の症状に目が向けられにくくなる懸念もあるかと思います。
(もちろん、広汎性があった場合は、そちらの特性を主に重視したほうがいいのかもしれませんが)

従いまして、あくまでも診断は診断、症状は症状と分けてお考えになったほうがよろしいかと思います。
広汎性がある場合は、ない患者と比べて思考プロセスに若干の違いがありますが、
緘黙症状としては基本的に似たような「不安症状」を見せるのではないかと思います。
(詳しいことは専門家にお譲りします)

したがって、症状としてみた場合は、緘黙症状は存在するし、共存も充分にありえるということになります。
基本的には診断名ではなく、個別の「症状」を重視して対応なさるのがよろしいのではと思います。
診断はあくまでもデジタルな区分けの基準に過ぎず、日常に生活していれば、障害の診断が下されていない人でも、多少なりとも何らかの不安「症状」を持ったりすることはありえます。
緘黙の人間はそれが支障をきたすほどに頻繁で、強いため、苦しんでいるのだという認識をなさることはできないでしょうか。
お忙しい中でこのような考え方をするのは難しいだろうとは思いますが、
もしそう思ってくださる方がいらっしゃれば、その方も少しは楽な気持ちになれるかもしれません。
(発達障害があるとのことで実際の反応は分かりかねますが・・・)

実際の違いとしては、広汎性がある場合は、若干幼くみえるか、周囲の事情に気が利かないようにみえるかという特徴が加わるかもしれませんね。
マイペースなところはあるかもしれません。


●資料について


さて、すでにご覧になったかもしれませんが、一応、臨床心理士の角田圭子さんがお書きになった投稿をご紹介します。少しでも参考になれば幸甚です。

それから、広汎性の親御さんであるなかたさんがお隣のスレでいろいろとお書きになっていらっしゃいますが、もしかしたらあさださんのお役に立つかもしれません。ただ、あまりにも膨大な記事量のため、必要な情報をかいつまむのは難しいかもしれませんが・・・。

以下、リンクです↓

2010年11月23日(火) 21:12 題名: Knet講演会in神戸での金原先生の講演
http://bb2.atbb.jp/kanmokunet/viewtopic.php?t=9&postdays=0&postorder=asc&start=30


それと、余談なのですが、このスレを拝読して、私の小学校1年生時の担任の手紙のことを思い出しました。
その先生は、「教えることは学ぶこと(教学相長ということでしょうか)」ということばを胸に刻んでいたそうです。
ついつい「みんなと同じに」という意識が向いてしまう中、他とは違う個性を持った子(私です)がいることで、
先生はいろんなことを学んだのだそうです。
今思えば、恐縮であると同時に、あたたかい気持ちにもなります。
あさださんも今後、いろいろご苦労・お悩みはあるかとは思いますが、
うちの担任のように、もしかしたらあさださんご自身にとってその方が何かしらの意味を持つのかもしれません。
その方が実際に感謝のきもちを抱くかは別として、少なくとも私は、当事者があさださんに支援をしていただいたことに関して、感謝の辞を述べたく存じます。
ありがとうございます。


では、この辺で、失礼します。あさださんのご心労が少しでも軽くなりますよう、また、その院生さんの症状が少しでも良くなりますよう、心よりお祈り申し上げます。それと、あさださんご自身もあまりご無理をなさらないようお祈り申し上げます。

あまりお役に立てていなくてごめんなさい。あとは他の方にバトンタッチします。


題名: お礼
投稿日時: 2012-06-11 23:58:00
User avatar

登録日時:
投稿記事数:
イロエンピツ様

早速に情報をいただきまして、ありがとうございます。
症状と診断の件など、とても参考になりました。
また、資料についても感謝申し上げます。
大量なので、順番に読ませていただきたく存じます。

多分、本人は努力はしているのだと思いますが、なかなか行動面でははかばかしくありません。
ゆっくり、ゆっくり見ていくしか無いのかなと。
幸い、こじんまりした研究室で、ぎすぎすしたものは無いので、ひどくのけものにされたり、糾弾されたりということはありません。
むしろ、とてもよく気を遣って下さる補佐員の方がおられ助かっています。

あさだ


3 件の記事    1