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題名: しゃべれない、と、しゃべり方がわからない、は違いますか?
投稿日時: 2006-08-17 06:42:36
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こんにちは。
幼稚園入園時から場面緘黙になり、いまだにしゃべる(声を出す)ことに困難しているものです。
高機能広汎性発達障害者でもあります。
(知的障害のない自閉症といったほうがわかりやすいかも・・・)

私は、「しゃべれない」 のは自閉症のせいだとずっと思っていました。
でも、最近になって、「しゃべれないのは子どものころからの場面緘黙のせいだ」、ということがわかりました・・・。

そこで聞きたいのですが、緘黙症のみなさんは、「しゃべり方のルール」というのはわかるのでしょうか。
たとえば、「Aと聞かれたらBと答える」、みたいな・・・うまく表現できませんが・・・。
私は、「声が出ない、しゃべれない」、という症状と、「会話ルールが良くわからなくて、会話をふられてもどう答えたらいいかわからない」、という症状があります。

アスペルガー症候群など、軽度の自閉の人は「声が出てしゃべれる」という点で、私とは違います。
(しゃべり方が少々変わっている、という点では同じなのですが・・・)

子どものころから人との会話の機会を持たなかったため、発達が遅れたのだろうかと推測していますが、本当のところはわかりません。。。
よかったら、ぜひ情報をくださいm(_ _)m

http://haruxu.blog53.fc2.com/


題名: スペース占領してごめんなさい
投稿日時: 2006-08-17 11:11:44
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はじめまして、rainさん。

うちの子は現在中3で、「高機能自閉傾向を伴った場面緘黙状況」という診断名をいただいています。自閉症が原因でしゃべれないのだから、息子の緘黙は「あきらめて見守る」しかないと思っていました。でも、最近、富氏さんのブログの資料などを読んで、「自閉症のせいでしゃべれないのではない。自閉症は治らなくても、緘黙症はよくなるのだ」と信じられるようになりました。

息子の自閉症は軽度のほうかもしれませんが、「なにをしゃべったらいいのかわからない」という点では似ていると思いますので、参考までに小学校のときの検査結果と指導内容を貼り付けてみます。rainさんには関係のないものも含まれていますが、この場を借りてまるごと紹介したいと思います。長くなりますが、勘弁してくださいね。

●知能検査 WISC-Ⅲ(個人の中で得意な面と不得意な面のバランスを見る検査)
 全体としての知的レベルは正常範囲だが、かなりアンバランスな部分がある。処理速度が遅い。慎重・正確・まちがい少ないなどの特徴がある。 何ができるか言わないと不安が強くて考えられなくなる。何回も確認するため数がこなせない。 → 結果として正答率低い。

●性格検査(いろいろな項目を全部入れて絵を描く)
 一気にいろんなことを言われるので、柔軟性が必要なのだが、きちんと自分の納得いくまでやりたい。ごまかしがきかない。適当にやれない。手抜きできない。 そのために、ものすごく時間がかかる。完璧主義。
 学校の集団授業の中では、時間制限があり、満足のいくところまでできることがほとんどないのではないか。そのために落ち込むということが多いだろうと考えられる。できるものをやるときの自信はすごい。反面初めてやるものへの不安がとても強い。「見てほしい」という気持ちを中には秘めている。

 一般の緘黙の子供は、しゃべりたくないという気持ちが強いが、しゃべりたいというエネルギーは持っている子供。「わかってほしい」「認めてほしい」「話したい」という気持ちはあるが、なにか原因があって、しゃべれない。
 元は緘黙ということで始めたが、知能検査なり、性格検査なりの結果から、いろいろな特徴的なところが見えてきた。本人がもっている独特な特徴(難しいもの)は、養育環境だとか育て方などに起因するのではない。いろいろな人のことを気にするだとか、かなり独特な面がある。一番肝心なところは、その特徴といったものを、周りの人が理解するということで、現況的なことの反省をするといったことではなく、これからどういうふうな配慮をしていったらいいのかということである。
 知的な発達には問題ないが、行動面で何かある。どういう症状に一番近いかというと、ぴったりあてはまるのではないが、高機能自閉症(知的レベルは高い)の中で、アスペルガー障害型の子供への対応が必要と言える。
 見通しが立たないとどうしたらよいかわからない。相手の気持ち通りに理解できない。場の空気を見たり読んだりすることが苦手。それをするためには、いろんな情報を取り込んで総括して判断する力が必要になるが、その力が不足している。
 順序立てて指示されればできる。ここがどういう場面なのかわかれば落ち着いてできる。どうやってわからせるか…? そうでないと、何て言っていいかわからない。どうしてよいかわからない。頭が真っ白になる。 あいまいなものが苦手。好きなことがわからない。「○○をしておいてね。」と指示されても、どういうふうに動くかわからない。具体的に指示されないと動けない。
 性格検査の結果から言えるのは、「ベストなものを望みすぎ」ということ。きちんとできないと納得できない。固執しているところがある。「これくらいできたからいいな。」と思えれば、成長したということ。そういうふうに思えるようになれば楽になる。「またこれもできなかった。」「これしかできなかった」という思いが積み重なっていくと、予想する以上にダメージが大きい。バランスが大変。
 せっかく思いがあるのだから、社会との接点として、力を発揮させてくれる設定場面が必要。しかし、できないことが大きくて本人にのしかかる。本人にとっては苦しい。
「力があるんだぞと認められたい」という気持ちをどうやってくすぐってやるか…? 周囲の配慮がないと容易でない。
 パニックを起こしてしまうと、自己評価を下げてしまうことが問題。新しいことに対する強い拒否反応・不安があるので、気をつける。
 学校では、容易ではないが、枠組みがしっかりしていれば乱れないでやれる。しかし、友達との自由遊びなどの場面で、要求の折り合いをつけることが苦手。自分の欲求だけぶつけることが多い。「何をしてもいい」などの自由が苦手。

●どうしたらよいのか
・課題を与えるときは全体像を示す。 … そうしないと納得して取り組めない。
・自分の得意なことをのばすことが大事。
・自分の興味にそったものを本人のペースですすめることができれば、おもしろい視点を持っている。
・本人が自分の特徴を受け入れることも必要。「こうすればうまくできる」というものを本人に教えてあげるのも一つの手。
・これだけは負けないというものを持っていればふんばれる。

●Social Skill Training(本人が練習を重ねていくこと)について
・自分なりにできたという経験を積むことで、やり方が本人にわかってくる。
 「結果的にできたな」ということをいろいろな場面で繰り返していく。
・順番立てて指示をもらうことを本人が身につける。
・実際のトラブルの場面で、どういう手順でやればいいのかということを本人が練習していく。(かなり基本的なルールを理解していない可能性がある。)

 様々な問題はこれから変化していくので、長く見ていくのがいい。教師側の理解を得られて、うまくいった例がある。もともと本人がもっているものであり、病気的なものではないから、治すとかいう性質のものではない。本人が悪いのではなく、かたよりがあるだけ。

●母親との関係について
・「お母さんにあたる」「うまくいかない原因はすべてお母さん」ということは「いないと困る」ということの表れ。

●様々な場面での対応について
・パニック(混乱)が起きたら、場面をきる。場所をはずす。
・自分で考えたことでなく、与えられたものに従う方が安心するので、書かせるというより書いてやることも必要。
・全体的な自己評価が低くなっている可能性があるので、ほめ方に気を付ける。「すごいね」など漠然としたほめ方は、逆に傷つけることがあるので、具体的にほめる。
・ほめることは必要だが、100点のときよりも、とれなかったときにどういう声かけをするかがとても大事。80点のときに、どういうふうにプラスのメッセージに変えるかが重要。

●「場面緘黙」について
・漠然とした聞きかたをすると、答えられない場合が多いが、具体的に話をリードされれば答えられる。(例: ×「修学旅行どうだった?」 ◎「1日目はどこに行ったの?」)しかし、話をリードしたりすることは子供にはできない。大人とは話せるが、同級生とは話せないということには、「自分の世界を話すとバカにされる」という不安から、同年代とのコミュニケーションを控えるようになった歴史があるのではないかという想像ができる。
・「同年代と話をするのがこわい。」という気持ちがとても強いので、普通に話せるようになれなくても、「人に対して失礼でなくて、自分もつらくない程度になればよし」と考えるべき。苦手な事なのだから、急がず、ゆっくり、こつこつと練習していけばよい。

● 対人関係のトラブルに関して
・記憶力がいい。ずいぶん前のつらい経験を鮮明に覚えている。どういう因果関係でそういうことをされたのかわからないまま、されたことだけ残っている。それがどんどん蓄積されて、ちょっとしたトラブルに対し大変激しい反応を起こす心配がある。ささいなことをかなり被害的に受け取る傾向がある。
・ちょっとしたけんかやトラブルが起きたら、それは学ぶいい機会だから、どうしてそうなったのか、その都度教え、場面を設定して練習させる。
(例:「人と人とのやりとりは普通はこういうものだから、話は出来ないとしても、目を見て礼をするくらいはできないと、相手に対して失礼だよ」など、繰り返し教え、練習させる。すぐにできるようにならないとしても、練習させることによって、「こういうことが起こったのは、相手が悪いだけでなくて、自分にも落ち度があったんだから、しょうがないことだったんだよ。」と気づかせ、あまり被害的に受け取らないようにもっていくことができる。

● 学校での援助体制について
・すぐなぐるのではなくて、困ったときに「こういうことがあったんだけど、どうしたらいいのか。」と相談できる人に伝えられるようにすることが大切。トラブルはほとんど学校の中で起きるわけなので、学校の中に人間関係のトラブルに関してコーチをしてくれる存在が必要である。定期的に会って相談にのってくれて、相手にもどうしてそういうことをしたのか聞き、相手だけが悪いのではなくて、「こんなふうにしたらよかったね。」と具体的に教えていく。専門的に相談にのってくれるスクールカウンセラーが常駐しているのが理想だが、それが無理でも、いつでも相談できる人の存在が必要。
・もし話し言葉によるやりとりが難しければ、交換ノートのようなものに困っていることを書き、先生から返事を書いてもらう方法が有効である。この方法のいいところは、コーチをしてくれる先生とのやりとりが形として残り、後で本人が読み返したり、親が目を通すことができるところにある。今までは、本人が家で暴れたりして、様子がおかしいことに気づいた母親が学校側にフィードバックしていたわけだが、トラブルが起きてから対処までの時間がかかり過ぎる。また、体も大きくなってくるので、母親ひとりでは受け止めきれなくなる。なにか困ったことが起きたら、本人が直接相談し、アドバイスを受けられるような体制をつくることが必要である。
・やり方次第では、対人関係を学習し、社会性を身につける力を持っている。しかし、通常の発達をしている子であれば教えなくても自然に身につけていくような社会的ルールを、一つ一つその都度教えていかなければならない。適切な課題、適切なストレスをいかに与えるかが大切。負担になりすぎない目標設定をし、チャレンジしていくことで、少しずつ社会性を身につけていくことが可能である。 決して急いではダメ。

● 自分の障害への理解について
・本人には障害名を告げるべきでない。ダメージが大きいことが予想されるので、烙印を押すようなことはよくない。いろいろなやりとりを蓄積していったところで、「こんなふうにしたらうまくいったね。」と、苦手なことも改善し学べることを強調することが、自分を理解することにつながる。今はそれで十分。
・高校生くらいになったら自分で勉強することもあるかもしれない。そのときがくれば、自閉症について書かれた本等が自分を理解するための光になるかもしれない。本人に読むように勧めるのではなくて、本棚などにさりげなく置いておくのがよい。

以上ですが、少しでも参考になるところがあるでしょうか・・・?

私も、わからないことばかりですが、rainさんはしっかりとした文章が書ける方なので、練習する機会さえ得られれば、今よりよくなるような気がします。


題名: みちさん、ありがとうございます。
投稿日時: 2006-08-18 06:50:21
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みちさん、コメントありがとうございます!
すごく、参考になりました。
そうそう、そうなのよ!と思えるところがたくさんあり、改めて自分は自閉圏の人間なのだと思いました。
(実は、主治医が変わり、診断名がなくなって、今、名無しの権兵衛状態なのです)。

読み障害があって、いっぺんに理解することが難しいので、これから読み返して少しずつ理解させてください。

私が子どものころは、アスペルガーという言葉や発達障害という言葉は一般的ではありませんでした。
そのため、しゃべらない私は「内向的な子ども」として見られていました。

しかし、幼稚園入園前、つまり場面緘黙を発症する前は、親戚たちの前で歌って踊ったりするなど、「こんなおとなしい両親からよくこんな子どもが生まれたものだ」といわれるほど活発だったそうです。
(つまり、広汎性発達障害は先天的でも、場面緘黙は後天的なもので治る可能性がある)

高校生のころから、我流でしゃべる訓練をするようになりました。
(そのころも、やはりアスペルガーや高機能自閉症という言葉は一般的ではありませんでした)
クラスメイトの女子がおしゃべりしているのを、じっと聞き耳を立てて観察し、それを真似てしゃべるということを繰り返していました。

そのやり方が正しかったのかはわかりませんが、長い間続けた結果、短い時間であれば集中して「会話」ができるようになりました。
他のアスペルガーの人たちは結婚していたりする人が多いので、「なぜしゃべれないのに結婚できるの?」と思っていたら、アスペルガーの人たちはしゃべれるのですね・・・。
しゃべれないのは緘黙の症状だったのだと、そのとき気がつきました。

服薬し始めてから、声が少しずつ楽に出るようになりました。
(それまではしぼり出すような感じでした)

お仲間がいてくださってうれしいです。
また、何かありましたらお話してください。


題名: またまた、スペース貸してください
投稿日時: 2006-09-01 13:05:08
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場面緘黙症の掲示板ですが、すみません、またちょっと話題がそれますが、うちの子を紹介させてください。

私もよくはわからないのですが、高機能広汎性発達障害の中にアスペルガーも含まれているのですよね。うちの子の場合、学校では過剰に自分をコントロールしていて、アスペルガーの特徴らしきものが現れるのは、主に家庭にいるときだけです。また、リラックスして過ごしているときは、ちょっと騒々しいくらいでほとんど問題はありません。困った行動が現れるのは、疲れたとき、眠いとき、空腹なとき、プレッシャーがかかっているときだけです。

「適応がよければ障害と言わなくてもいい程度」 との診断結果なのですが、3年前に書店でたまたま見つけた 「のび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群」 という本を読んだとき、アスペルガー症候群に関する記述を読んで、うちの子とあまりにもぴったりなことに驚きました。
「対人関係がうまくいかない。興味や活動の幅が狭く、深い。話し方が特徴的。表現が乏しく、何を答えればよいかわからない。口で言うよりも、文字や絵で会話をするとスムーズに会話できる。運動が不器用で、五感が過敏。被害的なとらえ方をしたり、思い違いをする。いじめを受けやすい、以前に受けた心の傷がフラッシュバックする。選択緘黙の症状があらわれる、過剰適応型の子供もいる。不登校になりやすい。」 などがアスペルガー症候群の特徴としてあげられていました。そしてそれらの特徴は一部、私自身や私の父にあてはまることに気付きました。「なあーんだ、遺伝かあ~」 と思って 「じゃ、しょうがないか・・・」 と妙に納得したものです。

私は転校の経験もなく場面緘黙症になることはありませんでしたが、いつも人の一番後ろからついていく無口な子供でした。そこそこ勉強もできて、平穏無事に学校生活を終えましたが、劣等感の強い人間でした。なぜ人との会話を楽しめないのか、集団の中でへとへとに疲れてしまうのかわからず、自分がきらいでした。「自分が普通になれないのは親の育て方が悪かったのだ。」 とずーっと思っていましたし、「わが子にだけは自分のようになってほしくない。」 という思いがありました。

そんなこともあって、「育て方が悪かったのではない」 と言っていただいたときは、嬉しかったです。そして、子供がどうしてそういう行動をとるのかということが理解できるようになって、楽になりました。理解できていないうちは 「子供の欠点を今のうちになんとか治さなくては」 とやっきになっていました。それってかなり逆効果だったと反省しています。


題名: のひめさんへ
投稿日時: 2006-09-11 14:46:40
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 255
のひめさん、素敵なHPの紹介ありがとうございます。

HP読ませていただいて、なんだか、勇気をいただきました。
まだまだ先は長いですね。息切れしないように、子供と一緒にゆっくり走っていきたいと思います。


題名: みちさん rainさん はじめまして・・・
投稿日時: 2006-09-08 21:15:08
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rainさん はじめまして・・・
みちさん 富氏さんのブログで お会いしましたね。
(あちらに ご提案の件 返事しております)

高機能広汎性からの場面緘黙で いらっしゃるのですね。
うちの娘は どうも それとは 違うようで 偉そうな発言は できないので
もし よろしかったら こちらのHPを ご訪問されたら いかがでしょうか・・・
http://chibiteri.web.infoseek.co.jp/
同じ 高機能広汎性から場面緘黙の二十歳の息子さんが いらっしゃる ちびてりさんのHPです。
彼女の前向きに生きておられる姿は 緘黙児の母親として 見習いたいものがあります。
なんか 宣伝になってしまいました。
ごめんなさい こちらのトピックの趣旨に 関係ないかもしれません。
もし 不愉快な思いをされましたら どうぞ スルーしてくださいませ。


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