これまでも、みくさんはじめ何人かの方が、どんな先生が、あるいはどのような言葉がけが、子どもを安心させるか、あるいは自信をつけさせてくれたかについて書いて下さっていたように思いますが、そうしたテーマはもっと話し合われてもいいのではないかと考え、このトピックを立ててみました

いろいろな方の具体的な例を聞かせていただければ、実際の教室で、先生方にとってどのような対応が可能か、有効か考える上で、参考にしていただけるのではないかと思います
子どもにとって先生の存在はとても大きなものですね
先生によっては、とても喜んで学校へ行き、自信を持ってたくさんのチャレンジをしてみたい気持ちになることが出来る
その一方で、先生の心無い一言で子どもは大変傷つき、すっかりやる気を無くし、学校が苦痛になってしまう
担任の先生の影響力は、一人ひとりの子どもにとっても、クラス全体の雰囲気を作るうえでも、良かれ悪しかれ、とても大きなものがあると感じます
うちの場合、小学校のときのある先生のお陰で、子どもの中の自己評価が大変高まったと思っています
そのことは、その何年か後に不登校であった時にまで、もう一度頑張ろう、出来るはずだという気持ちになるための力にもなったと思っているのですが、その自信を彼女に持たせて下さった先生の対応を、是非書いてみたいと思いました
その先生は小4のときの担任、T先生です
先生は子どもが中学で不登校になっていることを伝え聞いて心配してくださっていると、お友達のお母さんから聞いていました
そこで、高校生活を無事はじめることが出来たことをご報告して、安心していただこうと、先生のご自宅に思い切って電話してみました
そのついでに、先生の担任のときに、子どもはとても生き生きと生活し、お友達とも活発に交流し始めていたが、先生はいったいどんな対応をして下さっていたのでしょう?と、聞いてみました
するとすぐに思い出して下さり、こころよく教えてくださいました
まず、学年のはじめに、子どもがお友達と全く話していないことに気がついて心配してくださったとのこと、そして、「いったいどうしたら、クラスでお話が出来るようになるだろうか?」と考えて下さったそうです
そこで先生は、「はじめはお友達とは話せなくても、もしかしたら自分となら話が出来るかもしれない」と考えたのだそうです
そして、一日に一回か2回は必ず先生の席のそばに子どもを呼んで、話しかけて下さいました
話の内容は、例えば名前のこと、「○○ちゃんっていい名前ね、私の親戚にもいるけれど、とてもいい子よ」、それから子どもは席でよく絵を描いていたので「○○ちゃんは、絵がとても上手ね」などなど・・
毎日必ずそのような時間を持って、褒めたり、優しく接してくださったりしたそうです
そのうち子どもは先生に小さな声でお返事したり、話したりするようになったそうです
また、その頃子どもは発表の時には聞き取れないぐらいのとても小さな声でなら、何か言えていたようですが、そんなときには先生は、「みんなほら聞こえるでしょう?○○ちゃんはちゃんと話せるのよ、だから静かに聴きましょう!」と言ってくださったそうです
そのため、子どもが発表する時には、みんなはいつもとても静かにするようになったそうです
腕白な子には、たいへんたくましく厳しく接する先生なので、みんなからこわい先生とも言われていたT先生ですが、それはそれで、きちんと考えて、それぞれの子にとって必要な接し方をしてくださることの出来る先生なのだと思います
また、特に女の子のグループが出来、派閥のようになって悪口を言い合う年頃ですが、先生は学年のはじめに「私は仲良しグループというものは嫌いです」とはっきりおっしゃり、個々の考えや行動を大切にする方向性を持たせて下さっていました
みんなと同じでないと仲間はずれにされてしまうとか、ひとりでいるのはおかしいのだとか、そんなふうに思わなくてすんだのは、うちの子にとってとても気が楽だったことでしょう
先生は忙しい、子どもの数が多いなどとは言っても、また、たとえ場面緘黙という名前を知らなくても、一人ひとりの子どもに応じた素晴らしい対応をして下さる先生はいます
子どもの様子を良く見て、その立場になって少し考えてみるだけでも、よき理解者、心を支える大人として見守ることが出来るのだなと感じました
それだけのことで、子どもの様子は大きく違ってくるのですね