緘黙と薬については、近頃は欧米の専門家だけでなく、
日本の専門家もその有効性について言及しています。
例えば笠原麻里氏は、日本の現状とも合わせて次のようにまとめています。
** 以下引用 **
わが国でも、子どもの不安症状に対してSSRIをはじめとする抗うつ薬は用いられることがあるが、
わが国で用いられることができるフルボキサミン(fluvoxamine:商品名はルボックス、デプロメール)と
パロキセチン(paroxetine:商品名はパキシル)に関しては
選択性緘黙への適応はなく、併存するあるいは基盤となっている不安障害への治療として
アプローチする視点から投与を検討することができるかもしれない。
** 引用終わり **
※ 笠原麻里「ことばに関する問題--場面緘黙・吃音」、『こころの科学』No.130、2006年11月、59ページ。
薬の効果については科学的な検証が十分になされていないようですが、
海外では実際に治療に使われているようです。
笠原氏が挙げたフルボキサミンやパロキセチンを用いたケースについては、
海外でケーススタディがあります。
かんもくネットの資料1には、ルボックスやパキシルの名前が挙がっていますね。
子どもに抗うつ薬を使うことの判断は慎重になされるべきだという意見もありますが、
「緘黙に効く薬はありません」と可能性を全否定するのではなく、
不安障害への治療として検討してみるのもいいのではないかと思います。
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