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題名: かいわれさんへ、ルディさんへ、俊太さんへ
投稿日時: 2006-11-08 07:42:29
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とても大切なことが、どんどん書き込みされていると感じています。

●かいわれさんへ

初めまして。翻訳チームのけいこです。
弥生桜さんのブログに、HSPや笠原麻里Dr.「こころの科学130号」論文のこと書き込みされてたのを読みました。それで私も「こころの科学」論文読んで、翻訳チーム掲示板で話題にしてたんですよ。

>またこのように繊細な子供たちにとっては
かいわれさんが(2)で書かれている心的外傷は
いたるところにあるのではないでしょうか(ルディさん)


かいわれさんやルディさんが言われているトラウマやストレスの話、その通りではないかと思います。
用語って難しいです。

緘黙は症状(防衛機制の1つ)なので、中身はみんな違うのだなあ~と改めて思います。
「感覚過敏」とくくられていますが、HSPのように「感覚が鋭く、感受性豊か、内向性」の子や、感覚が鋭くて外向型な子、そしていろんな感覚を拾ってしまい、感覚の選択的注意・感覚統合がうまくいかない子・・・いろんな子がいるのでしょうね。

HSPはユングの理論が背景にあるようですね。音楽や絵画など芸術的感覚が鋭い子や内向性に開かれた子は、自分の内側に基準をもっていて、それを使って外的世界と関わるために、人間関係や学校生活に苦労することが多いとよく感じます。

かいわれさんの畑の話よかったです。(読んでいくうちに、頭の中で、種~かいわれ~大根になって、思わず吹き出してしまいました。失礼しました)

●ルディさんへ

最近は赤ちゃんの気質的素因についての研究もされていて(Kagan,J et al.2004)、
もともとの心拍数が常に高くて、新しい人や新しい状況に遭った時に、
さらに心拍数が速くなってしまう子どもがいることが分かってきたそうです。
場面緘黙症の原因は、まだまだわからないことだらけです。
でも、学校が辛くても、なかなか声が出なくても、
自分を分かってくれ、認めてくれる人がいる、と子どもが感じることは、
子どもにとって、とても大切なことと思います。
人とのつながりを子どもが感じているかどうかで、
予後が大きく違ってくるのではないでしょうか。
ルディさん、翻訳いっしょにがんばりましょうね!
(翻訳チームのメンバーだって勝手に書き込みして良かったかな?・・・書き込んじゃいましたけど)

●俊太さんへ

>僕が思うに環境=親の養育態度と言うわけでなくて
環境は親の養育態度だけではなくて幼稚園・保育園や学校での環境もあるんじゃないんでしょうか。


園での対応はとても大きいと思います。
イギリスの緘黙支援団体のSMIRA会長アリスさんの論文では、
「①子どもの持つ素因(たぶん遺伝的な)
②環境からの促進要因(例えば引っ越しや病気)
③固定化要因、起こってきた問題に対してその時その場でどのように対応されてきたか、に注目します。」
とあります。(この①②③は、かいわれさんの畑説にそっくりですね)
Alice Slukin ,Handbook of Social, Emotional and Behavioural Difficultiesの8章,2006 http://www.tesco.com/books/product.aspx?R=0826488943


>あと本人の資質も性格だけでなく肉体的に不利だったりするのも影響するんじゃないかなって気がします。

不安は自信と密接な関係があるので、早生まれや体の小ささはおおいに関係がありそう。
他の論文で記述を発見したら、資料に即、入れたいです。(動作がゆっくりめ、発達がゆっくりめ、などの記述はよく見かけるので入れてもいいかな・・・。検討します)
俊太さんが仰るように、不安になりやすさ、環境の適切さの程度や質も、みんな1人1人とても違うのでしょうね。
気質や扁桃体(へんとうたい)の研究は、まだまだのようですが、今どんどんすすんでいってるようですよ。
(神経生理学や脳の研究、少し読もうとしましたが、ややこしくって私にはムリだわ)


題名: けいこさんへ
投稿日時: 2006-11-08 12:17:58
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 けいこさんへ 初めまして
 私の投稿に対するコメントたいへんありがとうございます。
 前回一人で申し訳なく謝っておりましたら、「場面緘黙症(の後遺症)の症状の一つに、一人内省してしまうのがある」という趣旨の意見をみつけ苦笑しました。
 けいこさんのようにきちんとしたセラピスト(臨床心理士とうかがいました)の方が、海外の文献を翻訳したり活動して下さっているのを知ると、とても力強い感じがします。文章を読んでると、とてもアカデミックで聡明で、ユーモアがあり、そして一寸ちゃっかりしてそうで(失礼)、きっと素敵な方なんでしょうね……。
 そうですか、場面緘黙症の症状は防衛規制であるという理解で良いのですね。今ひとつ自信がもてませんでしたが、すっきりしました。今後もご教示よろしくお願いします。
 場面緘黙症は奥の深い症状群だとつくづく思います。私は当事者でもあり、職業上もこの分野(どの分野?)に興味があり、アンテナも高くしております。
 秘めたる自己顕示が強く、暴走しないよう気をつけますので、今後も見張っていてください。


題名: かいわれさんへ
投稿日時: 2006-11-09 07:14:13
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 209
わたしこそ見張っていてくださいね。すぐに落ち込んだり、調子に乗ったりします。初書き込みから半年、翻訳チームも「あれをどうしよう」「これがわからない」「やっぱりこれが心配」・・・と冨氏さんに迷惑をかけまくりながら、ここまでやってこれました。
かいわれさんは、PSW(精神保健福祉士)と養護学校教員資格をもつソーシャルワーカーで、緘黙経験者でもいらっしゃるのですね。こちらこそいろいろ教えて下さい。よろしくお願いいたします。


題名: 思い出したい
投稿日時: 2006-11-15 11:50:24
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富氏さん、はじめまして。
40過ぎてはじめて「かん黙」という言葉や、伴う研究、対応にふれました。
人生の大発見ですよ、これは。「私、かん黙児だったんだ」と言えるんですからね。正確には、診断されないうちに直ってしまったのすが。

原因は自分の置かれていた家環境そのものにあると思います。
子供にとって家とは金魚鉢の「水」のようなものですから、逃れることは出来ませんでした。しかしそれが何故、「学校でのみしゃべらない」になるのかが自分でも不思議です。家環境に原因があるならば、家で発症するのではないか?とも思うからです。

過去を良く思い出したくなり、じっくり追求しているところです。
上の疑問に少しだけ迫れる思い出があるんです。
それは、学校には「気晴らしに行っていた」感があったことです。
小学校はとんでもなく憂鬱な施設ではあるけれど、「しゃべらなくても居れる場所」だったし、幸いいじめは酷くありませんでした。
家は自営業。祖父祖母・叔父叔母と嫁である母は犬猿の仲、父は長男でも発言力無し、散歩に行くのはお手伝いさんと。東京都内で8人家族は珍しいことでした。
そこで私はずっと子供のままで成長してしまいました。母親から「生活の知識」を教わった記憶がありません、包丁の持ち方・買い物のし方・電車の乗り方etc.
劣等感丸出しがばれないように学校では「かん黙して観察し、情報を増やしていった」のだと思います。
なーんだか息苦しい家ですよね。

これが江戸時代の問屋の長女だったら、かん黙児だなんて誰一人気がつきませんよ、きっと。知らない間に嫁に行ってる、ってところでしょうか。
こんな想像変ですが・・・・・


題名: 書き込みありがとうございます。
投稿日時: 2006-11-16 14:03:57
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ねこまるさん、はじめまして。お返事遅れて申しわけありません。
富氏改め、「富重」と申します(今日からハンドルネームを変えました)。

私は20代で「かん黙」を知り、長年の謎が解けたと思ったものですが、
40代でお知りになったとなると、本当に大発見だったことでしょう。
最近はインターネットの普及により、こうした方が増えているようです。

ねこまるさんは、大変な家環境に置かれていたんですね。

家環境が原因で場面かん黙になったという方は時々いらっしゃいますが、
おっしゃるとおり、それならば家で発症しそうなのに、確かに不思議です。
ある作家は、父親に殴られ続けて父親に恐怖感を抱くようになり、
家で場面かん黙になった少女をフィクション小説で描きました。
一見ありそうですが、実際にこうしたケースは聞きません。

私も劣等感が強かったです。かん黙児には、こうした傾向があるのかもしれません。
私も親から「生活の知識」は教わらず、できないことだらけでした。
学校に行って他の子どもたちと自分をつい比較して、自分は駄目だなと思ったものです。

私も、「男は駄弁を弄する無かれ」の時代に生まれてきたら、
変わっていたかもしれないと思うことがあります。
_________________________________________
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題名: Re: 書き込みありがとうございます。
投稿日時: 2006-11-17 21:28:03
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富重さんになったのですね、お返事ありがとうございます。
>私も劣等感が強かったです。かん黙児には、こうした傾向があるのかもしれません。
>学校に行って他の子どもたちと自分をつい比較して、自分は駄目だなと思ったものです。

全く同じです。私は他人との違いをとても敏感に感じ取りました。
親には気が付かれないように振舞ったものです。
・・・・とすると、やはり「繊細で感じやすくおとなしい性格」ってのが原因の一つ?ああ、思い出しました、「異常に恥ずかしがりや」でした。
意思表示、新しい服、自分をあたしと言う、全て恥ずかしかったです。(自分をちゃんづけで言っていた)
冷やかされると思っていましたから。大人は普通にほめる=冷やかし、でしたね。大人同士で会話するときの声のトーンでほめてほしかったのです、細かいことですが・・・・
またおじゃまさせていただきますね、よろしくお願いします。


題名: 追加
投稿日時: 2006-11-17 22:48:09
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上の書き込みは、ねこまるです。
何度もすみませんでした。


題名: 11月発行の「こころの科学」
投稿日時: 2006-11-22 11:37:47
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 209
かいわれさんが教えて下さった日本評論社11月発行の「こころの科学」の、笠原麻里 児童精神科医は虐待分野で仕事を多くされている医師のようです。(3ページちょいの短い論文です) 
論点の中心は、場面緘黙症は「不安障害と発達障害の両面から研究が必要」ということのようですが、

「現段階では、原因のエビデンスとしては不十分かもしれないが、
実際に虐待を受けたり、心理的に強いトラウマティックな体験を経たりした子どもが緘黙になる例はあるので(2)、
個々の対応に際しては背景となる体験を把握しておく必要はあるものと思われる。」(引用)


参考文献として、(2)笠原麻里「場面緘黙」宇野彰編『ことばとこころの発達と障害』永井書店、印刷中 となっています。

虐待がなかったら、発症せずにすんだ子どもはいると思います。
場面緘黙症の文献が少ない中とても貴重な文献と思います。

ただ、英語圏では、原因を気質的なものにおく考え方が主流となってきているのに、
日本ではそれが浸透していません。
そんな状況の中での「虐待」の論文ということなので、誤解のない書き方をしてくださっていればなあ・・・と思います。


題名: 誤解
投稿日時: 2006-11-22 11:52:51
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>ただ、英語圏では、原因を気質的なものにおく考え方が主流となってきているのに、
日本ではそれが浸透していません。
そんな状況の中での「虐待」の論文ということなので、誤解のない書き方をしてくださっていればなあ・・・と思います。

同感です。
私も幾度が、夫婦仲が悪いのではないか?充分甘えられなかったのではないか?と散々、原因を暗に探るようなことを言われてきました。
もう我が家の様子をビデオに撮ってお見せしましょうか?と言いたくなってくる程、ありとあらゆる面から詮索され続け、本当に苦しい思いをしてきました。

トラウマティックな出来事が引き金になったケースもあるとは思いますが、
当事者が誤解されるようなことがないように・・・と思います。


題名: 誤解
投稿日時: 2006-11-22 12:24:34
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ふみかさん、はじめまして。

うちの子は今中3ですが、そういえば、4年生で2度目の転校をし、学校で緘黙・緘動状態のとき、担任の先生に、「おふろは一緒に入っていますか?スキンシップは十分ですか?」と質問されました。私はそのころ息子の状態を全く理解していなかったので聞き流していましたが、先生の中では 「場面緘黙=愛情不足」 という公式ができていたのでしょうね。

そのとき、同じクラスにもう一人話さない子がいて、先生は場面緘黙症という言葉を知っていたようです。知識のある方でさえそんな調子なのですから、多くの方に誤解のないように理解していただくのは本当に難しいですね。

>当事者が誤解されるようなことがないように・・・と思います。

本当にそう思います。


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