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題名: 今(夏休みに)緘黙児の母親ができること
投稿日時: 2006-07-19 07:15:59
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富氏さん、けいこさん。こんにちは。
緘黙症理解のための資料の翻訳・提供、画期的ですね。緘黙の理解・治療が遅れている日本において、大きな貢献だと思います。
弥生桜さんも、緘黙の治療を広めるために尽力なさっていて、頭が下がります。

私はロンドンに住む、もうすぐ6歳になる緘黙児の母です。以前この掲示板の「我が子が場面緘黙症です」にコメントさせていただいたのですが、誰からもお返事がなくちょっと凹んでおりました。が、凹んでいられないのが緘黙児の母。何かお手伝いできることがないかと思い、スレを立てさせていただきました。息子にはセラピストがついていませんが、この2ヶ月の間に先生や友達の耳元で囁いていた状態から、普通の声が出てくる状態にまで快復しました(先生には必要事項を言う位で、まだまだ学校内では緊張しています)。昨年の3月頃は緘動が酷く、机から動かず、課題も全くやらず、もう少しで登校拒否というところだったので、今の姿はまるで夢のようです。言葉もですが、学校内で笑顔がでるようになり、複数の友達と交流できるようになり、課題も彼なりにこなすようになったのが、大きな進歩です。9月から新学期が始まり担任が変るので、症状が後退することも覚悟していますが、今は新担任の理解を得ること、新しい教室に慣れさせることが目標です。

緘黙の治療が進んでいるイギリスとはいえ、最初は学校も場面緘黙に対する知識がなく、昨年7月に私がサポートグループSMIRAに入会し、その資料を提出しました。学校が緘黙を理解してくれ、プレッシャーを与えないようにしてくれたことだけでも、随分症状が軽くなったと思います。人手不足なので、キーワーカーを定めた治療プログラムは遂行できません。ただ、幼稚園時代の友達と一緒にお昼を食べられるように配慮してくれたり、できるだけ少人数のグループで活動をさせるように、と気を配ってもらったことが功をなしたと思います。それと、うちの場合は放課後に友達を家に招いて一緒に遊ばせる、プレイデートがものすごく効果的でした。週末には、なるべく出かけたり、友達の家族や親戚を招いたりして、子供が社会的な体験を多くできるよう心がけています。

日本では教育システムが違うので、欧米のような処置ができないかもしれませんが、まず担任及び学校に理解してもらうことが重要です。緘黙児は本当に繊細かつ敏感なので、ちょっとした言葉や出来事で悪化する場合もあります。私を含めて、緘黙児の母親はシャイな人も多いと思います。が、親が勇気を出して担任に働きかけることは必要不可欠です。緘黙症理解のための資料を渡して、緘黙の現場である学校での不安やプレッシャーをなくすことが、快復への第一歩だと思います。

緘黙児の母親としては、セラピストやマネージメントチームができるまで、ただ待っている訳にはいきませんよね。私なりの解釈ではありますが、快復のための要となる母親が今できることを、私の体験のもとに提案させていただけたらと思います。うちの息子には効果があったことですが、緘黙児は十人十色だし状況も違うので、誰にでも同じ効果があるとは限りません。その辺りは、どうぞご了承下さい。Helping Your Child with Selective Mutismをはじめ、様々な資料を参考にしています。俊太さんが運営されているサイト『場面緘黙専用』の『場面緘黙を治す方法』も大変優れていると思いますので、是非参考になさってください(俊太さん、ご挨拶もしていないのに勝手にご紹介して申し訳ありません)。

1)子供を観察・分析して緘黙の度合いを知る
緘黙児はとても複雑な自分だけの法則でバリアを張って、緘黙することで不安から自分を守っています。一番の味方である母親が、その法則を知り理解することが重要です。場所・人・周りの状況をふまえて、できるだけ詳しくチェックしましょう。

[code:1]<例>
(場所) (人)    (時間帯) (周りの状況)  (緘黙の状態)
学校の校庭 母親    登校時   他の子供達が大勢   囁き声になる/黙ってしまう
同上   同上    下校時      同上           普通の声で話せる
教室内 教師               全く声がでず固まる
同上  友達A               周りに人がいないと囁くことができる[/code:1]

       
上記のように表にして、バリアフリーの家庭内から、学校、塾、スーパーなど色々な場所や、近所の人とあった時、電話などの様々な場面を考えてみましょう。家庭内でも、家族のメンバーによっては口数が少ないということもあります。日本では集団登下校が決まりになっているので、緘黙が起こっている学校での様子を把握するのが難しいと思います。連絡帳を使うなど、担任の先生に協力してもらって、学校での緘黙度をチェックしてみましょう。緘黙度だけでなく、トイレに行けるか(水分をあまり取らずに、我慢していることがあります)、給食は食べられるか、動作がきごちなくないか、笑顔がでているか、友達と遊べているかなど、全体像を把握できるといいですね。

最も身近にいる母親が子供の緘黙の度合を把握していることは、必ず治療に役立ちます。緘黙児が持っている感覚敏感や偏食などの特徴(資料の4参照)もまとめておきましょう。

2)短くてもいいので、子供と2人きりの時間を取って、色々訊いてやる
まず、母親が理解者であり、味方であることを解らせて安心させてあげてください。さり気なく、その日の出来事を訊き、学校でいじめられてないか、何か嫌なことがなかったか、チェックします。緊張の原因がつかめるかもしれません。その子なりに嬉しかったこと、頑張れたことがあれば、小さなことでも誉めてあげましょう(緘黙児は誉められベタな子が多いかもしれませんが、内心は嬉しと思うのでさらっと誉めましょう)。夏休み中はクラスの写真などを見て、クラスメートや先生のことを質問してみるのもいいと思います。親しみを感じている子を発見できるかもしれません。写真を見ることで、新学期にまた学校に行きたい、という気分にさせられるといいですね。

3)夏休み中(週末)に幼稚園・学校に通う
緘黙児の治療は、まず不安を取り除いてから、本当に小さなステップで、少しずつ少しずつ苦手な場面に慣れさせることだと思います。
夏休み中に自由に学校の校庭に出入りできる場合は、週に2度くらい子供が少ない時間帯に連れて行って、一緒に時間を過ごしましょう(自転車の練習でもなんでもいいと思います)。たいていの子は、母親が一緒だと安心するので、普通に会話ができると思います。そうすることで、少しでも学校の敷地内で話す・遊ぶことに慣れさせ自信をつけさせましょう。兄弟・姉妹や友人同士だけでも大丈夫、というのであれば、母親はいなくてもいいと思います。

学校という場面で最大に怖いのは、自分の教室でクラスメートや先生に囲まれている時という子供が多いのではないでしょうか。もし可能であれば、学校に頼んで誰もいない教室で、まずお母さんと話す練習をすることをお勧めします。先生がいると極度に緊張するので、はじめは母親と2人きりがいいと思います。お母さんと普通に会話ができ、緊張がないようであれば、次に親しい友達を一人誘ってみる、といった風に本当にゆっくりゆっくり慣らしていきます。あせると悪化することもあるので、要注意です。私の場合は、週2回くらい放課後に2人で教室へ行って、その日にあったことを話したりしています。夏休み中も、新しい教室に入れるよう許可を取りました。

4)学校外でも、少しずつ緘黙克服の練習をしてみる
例えば、コンビニで買い物をする場合、一人でできますか?言葉がでなくても一人でお金を払えるようにする、会釈する、「ありがとう」といえるようにする、など緘黙の程度に合わせて無理のないように、少しずつ何かができるようにしてあげましょう。小さなことの積み重ねで、自信がついてきます。電話だったら大丈夫という小学校高学年・中学生の子供は、電話で話せる人の数を段々増やしていって、チャートにするのもいいかと思います。

以上、この夏休みにできそうなことをまとめてみました。長くて読みずらいと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
それでは、皆さん楽しい夏休みをお過ごしください。


題名: ありがとうございます
投稿日時: 2006-07-19 10:31:29
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みくさん、はじめまして。弥生桜と申します。

みくさんは、なんでさんの「僕はオラニオス(http://ouranios.seesaa.net/)」でよくコメントされている方ですよね。
僕はなんでさんのブログは欠かさず拝見しています。

みくさんの記事は、実践者として書かれているので具体的でとても参考になります。
これを読めば"Helping Your Child with Selective Mutism"を読んでくださいなんて勧めなくてもいいほど完結に書かれていますね。

場面緘黙に対する知識や治療法に関する海外と日本との差は、僕はもう身に染みて理解しているつもりです。
みくさん、先進的な海外の治療の実践をご説明くださって感謝します。

どうかこれからもよろしくお願いします。


題名: ありがとうございます。大変参考になります。
投稿日時: 2006-07-19 11:33:14
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はじめまして
この7月から "Helping..."を参考に、無謀にも治療プログラムを自己流で組み立てて、学校の先生にお願いしようと考えている中3緘黙児の母です。

私の住む地域には、場面緘黙について理解のある専門家がいるにはいるのですが、第一段階の「学校での不安やプレッシャーをなくす」ための指導はしてくれても、その先は実績がないらしく、何も教えてくれません。学校の特別支援教育コーディネーターの先生も「私は専門家ではありませんから、お母さんの方から何をしてほしいのか言っていただければ対処します。」というばかりです。

そんな中、みくさんの提案はとても参考になり、心強いです。
うちの子はもう中3なので、なかなか一緒に遊ばせるというわけにはいきませんが、高校受験を控え、少しでも緘黙を克服したいという前向きな気持ちになっています。これまで、学校に行くとか行かないとか大騒ぎしていたことを考えると、大変な進歩です。
今、個室での担任の先生との簡単な会話はできるようになったところですが、この先、activities, locations, people のはしごをどう組み合わせていったらいいか、頭を悩ませているところです。(うちの子は大人より同級生が苦手です)

とりあえず、「誰もいない教室で話す練習をする」というのをこの夏休みにやらせてもらえないか、ダメモトで学校に頼んでみようと思います。

高校進学で環境が変わると、また元に戻ってしまうとは思うのですが、それだからこそ、「中学校ではこれだけのことをしてもらって、ここまで改善した」という実績を残したいと思っています。それが本人の自信につながり、次へのステップになるような気がします。なにかお気づきの点などありましたら、教えてください。よろしくお願いします。


題名: 印刷させていただきたいにですが・・・・
投稿日時: 2006-07-19 11:52:45
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みくさんの記事をプリントアウトし資料にさせていただきたいのですが、44文字くらいできれてしまい、うまくいきません。どうすればいいのでしょう?
編集をお願いするわけにはいかないでしょうか?


題名: みなさん、書き込みありがとうございます。
投稿日時: 2006-07-19 12:55:52
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みくさん、弥生桜さん、ozuさん、書き込みありがとうございます。

みくさんへ

実践的な克服法をコンパクトにまとめてくださり、ありがとうございます。
私も勉強になりました。
ポイントは、不安を取り除いて、少しずつ苦手な場面に慣れさせることなんですね。
キーワーカーという言葉は私は初めて聞いたのですが、
緘黙症の治療プログラムの策定と実施において中止的な役割を果たす方のことでしょうか?

ozuさんへ

プリントアウトがうまくいかなかったのですね。どういう方法で印刷されましたか?
もしozuさんが Windows をお使いの場合、
Wordやワードパッド、メモ帳などに、みくさんの文章をコピーして張り付け、
印刷する…というのはどうでしょうか。
(Windows以外をお使いだったら、ごめんなさい)
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題名:
投稿日時: 2006-07-19 13:01:43
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ozuさんへ
プリントアウトは印刷設定をA4横にしてばっちり入りましたよ。

すみません、今仕事中なので、また帰ってから書き込みます。。。


題名: すみません・・・
投稿日時: 2006-07-19 14:02:25
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富氏さん、ははさん、ありがとうございます。おかげさまで解決しました。
とても基本的な質問だったようで・・・お恥ずかしいかぎりです。

パソコン初心者の私です。これからもよろしくお願いします。


題名: みくさん、ありがとうございます。
投稿日時: 2006-07-19 16:57:08
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みくさん、はじめまして。
みくさんのことは、私もオラ君、、、で一方的に知っています。
何度も何度も読みました。
私もozuさんのようにプリントアウトさせていただきました。
明日、担任の先生に遊びにきてもらうので、見せて、誰もいない教室で、、を実践したくお願いしてみます。

ああ、、こうやって何も知らないところから、会ったこともない人からたくさん情報をいただいて、
今こうやって頑張れるんだ、、、としみじみ胸がいっぱいです。
感謝、感謝です。


題名: 小学生 中学生で治療はできても
投稿日時: 2006-07-20 01:20:57
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児童相談所や教育センター?から学校を通じて治療していく義務教育じゃないので
高2では難しいですよねー;

児童相談所では相談は一応高3までなのでそれまでに何か相談があったら
18歳までーと言われたみたいけど・・


題名: 児相
投稿日時: 2006-07-20 11:40:12
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 366
児童相談所って、学校を通じてしか行ってはいけないという意味ですか?
そんなことはないのでは。

おおむね18歳以上になると、今度は精神保健福祉センターが相談の窓口になる…のかな?
私もよく分からないで言っているのですが。
でも、高2で児童というのも変かもしれないけど、ちゃんと受け付けてくれるのでは。 :D
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