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題名: 発達検査について質問です。
投稿日時: 2007-08-05 17:53:24
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発達検査について色々お聞きしたいと思い、みちさんがとてもお詳しそうだったので、こちらに書いてみました。

現在、子どもに様々な問題を抱えているのですが、子どもの特徴を知った方がいい、とある方からアドバイスを受けて、検査を受けたいと思うようになりました。
どこへ行けば検査を受けることが出来るのでしょうか?
その検査は時間的にとても長いのでしょうか?何回かに分けることもできるのでしょうか?
私の子どもは不安が強いので、この検査を受けるにあたって、どのように子どもに説明すればよいかも悩んでいます。
子どもに拒否されたらどうしようか・・・。
なるべく病院へも子どもを連れては行きたくないです。
病院へいくのも、どう説明していいか悩んでしまって、なかなか前に進めないでいます。
急ぎませんので、どうぞよろしくおねがいします。


題名:
投稿日時: 2007-08-05 17:57:21
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すみません。自己紹介を忘れていました。
私の子どもは小学5年生の男子です。場面緘黙ではないですが、小さい頃から分離不安が強い子どもでした。
よろしくお願いします。


題名: 発達検査について
投稿日時: 2007-08-07 23:55:52
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みこさん、はじめまして。

発達検査を受けることをお勧めしたりしてましたが、実際のところ、お母さんの覚悟が決まっても、本人の気持ちが動かないと難しいですよね。

うちの子が検査を受けることになったいきさつを、思い出せる範囲で書いてみますね。

息子が小学6年生の7月に、私は 「どうしたら話せるようになるのか知りたい」 「カウンセリングを受けたい」 と思って、あちこち電話をかけました。(あの頃はスクールカウンセラーはいらっしゃらなかったと思います。) 息子を精神科に連れていくことにはかなり抵抗があったので、お医者さんに行くことは最初から考えていませんでした。

ある本の巻末資料の 「全国相談機関一覧」 に、各都道府県別の 「精神保健福祉センター」 の電話番号が載っていたので 「子供の場面緘黙や対人恐怖について相談したい」 ということで電話すると、私の住む地域の 「児童相談所」 に相談するようにと教えてくださいました。地域によって、そういう場合どこに相談するのがベストなのかは違ってくると思いますが、県の 「精神保健福祉センター」 に電話すれば教えてくれるはずです。本には 「精神保健福祉センター」 の説明として 「複雑な思春期のこころの問題に関する相談に答えてくれる公的機関。医師、保健師、精神保健福祉相談員などが面接や電話により相談、指導を行っています。」 という説明が載っていました。

児相に電話をかけ、簡単に状況説明をすると 「息子さんと一緒にいらしてください」 とのことでした。
息子はそのころ、授業中の音読や発言などはできるようになっていましたが、友達との会話が全くできませんでした。相談に行くことを提案した時、息子は 「相談すれば話せるようになるかもしれない」 という期待をもって承知してくれたのだと思います。そこに行って何か検査を受けることになるとは、私も息子も予想していませんでした。

児童福祉司さんのお話では、「児相では検査や指導はできるけれど治療はできない」 とのことでした。
最初から検査ではなくて、相談日初日、別室で母親が児童福祉司さんに詳しい話をしている間、子供は心理士のお姉さんと遊んだり、弟と卓球したり、とても楽しく過ごしたようです。(この日だけ、弟も一緒に連れて行きました。)2回目は箱庭療法だったような・・・。それも本人は遊びというとらえ方で、もっとやりたいと思ったようでした。

その後、本人にどういう説明をして検査を行ったかは不明です。うちの息子の場合、自分が心理士のお姉さんと一緒にやった問題が、自分の能力のアンバランスを見る検査だったとは思っていなくて、あの時は、なんとなく流れに任せて言われるままに検査を受けたので、本人は全然抵抗を感じていないんです。

児相は公的機関ですから、お金がかかりません。そのかわり、完全予約制で、1回の面談も時間が限られていますので、何回も足を運ばなければなりません。息子本人は確か、8月、9月、10月と月2回児相に通ったと記憶しています。WISC-Ⅲの検査には1回1時間ほどで4回くらいかかったのではないかと思います。息子が検査を受けている間に、私は臨床心理士さんにお会いし、成育歴など話しているうちに、どうもアスペっぽいという話になりました。

12月には大体の結果が出て、保護者だけ児相に出向いて、児童福祉司さんと児童心理士さんから説明を受けました。私と息子本人が小児精神科医と面談したのは、様々な検査・判定が終わり、診断名が確定してからでした。児相に通い始めてから半年ほど経っていました。その間、親が子供のことを話すときには常に別室だったこともあり、息子は自分のことを病気だとは思っていません。本人が医師と面談したのも児童相談所の一室でしたから、息子は自分の会ったお医者さんが精神科医だったことにも気づいていないと思います。

最後の説明では 「得意なことは暗記」 「苦手なことは考えること」 「勉強するなら予習型」 「自分の得意なことを伸ばしていこう」 など、当たり障りのないことだけ本人にメモの形で手渡してくださいました。それから、本人が1番答を知りたがっていたこと 「どうしたら話せるようになるのか」 に関しては、実績がないので、とりあえず 「あいさつをしてみよう」 ということでアドバイスをいただきました。(これは、今思えば適切だったとは言えませんが、「克服方法はありません」 と言われるよりはずっとよかったと思っています。)

実は私は、検査を受けることが目的で息子を児相に連れていったわけではないんです。目的は 「カウンセリング」 でした。でも結果的に、検査していただいたことが、今も、学校の先生方の理解を得るときに何よりも役立っています。

今振り返ると、一般に市の教育センターなどで行われている 「カウンセリング」 と称するものを受けなくて本当によかったと思います。(実は最初に電話した時の印象があまりにも悪くてすぐにやめました。)私の住む地域の教育センターの相談員は、心理の専門家ではなかったようです。(4年前)

児相には、子供担当の児童心理士さんの他に臨床心理士さんも派遣されてきていて、それぞれのプロの方が役割分担をしながら、子供に精神的な負担がかからないように検査、指導を行ってくださいました。当時、「場面緘黙症の克服」 というところまでは、情報がないため指導していただけませんでしたが、検査結果に基づいて、「大人側の配慮」 に関する適切な指導を受けることができ、そのおかげで不登校の危機を乗り切ることができました。また息子が中学校生活を楽しみ、「自信」を得ることができたのも、児相からの指導があったからこそと思っています。


題名: ありがとうございました。
投稿日時: 2007-08-11 18:43:29
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みちさん、いろいろと詳しく教えてくださり本当にありがとうございました。

私の住む地域の相談機関にまずは電話してみます。
突然検査というのも子どもにとって抵抗があると思うので、そのあたりも相談したいと思っています。

本当にありがとうございました。


題名: 認知行動療法 (CBT) について
投稿日時: 2008-02-17 23:18:50
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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これまで、息子のことがきっかけで、いろいろ勉強させていただきました。私が本やウェブ上で読んで知ったことをここに少しまとめてみたいと思います。

Knet資料にもありますが、年齢が上の子(小学校中学年以上)や大人の場面緘黙症の改善には「社会不安」の治療法として注目されている「認知行動療法」(CBT)が有効とされています。

日本にはCBTの専門家が少なく、また運よく身近に専門家がみつかったとしても、とてもお金がかかるらしいので、実際にプロに関わっていただくのは難しそうですが、お母さんがセラピストの代わりをしたり、本人がセルフセラピーとして実践していくことも可能なようです。(今回参考にしているのは大人の「不安障害」の克服法についてかかれた本ですので、小学生にはそのままでは難しいかもしれません。)

「認知行動療法」とは 「その人のものの見方(認知)と行動様式を変えるための治療法」 です。私たちは医師ではないので「治療」はできませんが、その手法を真似たアプローチは素人でもそんなに難しいことではないように思っています。

ただし、年齢が上の場面緘黙の子に「認知行動療法的アプローチ」を試してみるには

・子供の置かれている学校環境が整っていること(そのままで受け入れられている)
・子供がリラックスして過ごせていること(学校生活を楽しんでいる)
・子供本人が「克服したい」という気持ちをもち、挑戦したい気持ちがあること


などの条件がそろっていることが必要なようです。

環境が十分整わないうちに、または本人に「変わりたい」というエネルギーが蓄えられていない時期に、安易に学校での取り組みの提案をするのは危険です。子供が自分を否定されたと感じ自己評価が下がったり、プレッシャーを感じて不安が高まったり、逆に後退する可能性も高いようです。無理すると不登校などの原因にもなりかねないので、慎重にその子にとって適切な時期を待たなければならないと思います。まず必要なのは、子供が話さなくても安心して学校生活を楽しめるよう徹底して支援し、子供の中にエネルギーがたまるのを待つことだと思います。(学校以外の場所で小さなチャレンジを積み重ねることならOKと思います。)

私たち保護者にもそんなに難しくないようなことを書きましたが、年齢が上の子の場合、緘黙状態だった期間が長く、学校で話さない習慣が深く身についていますから、子供の気持ちをそこまで持っていく方がむしろ大変なようです。また、日頃から親子でいろいろなことを話し合っていないと難しいので、思春期の子供たちに親が介入できる例は実際にはそれほどないかもしれません。(Knet資料No.14を参考にしてください。)
http://kanmoku.org/handouts.html

本に書いてあったことを参考に、私なりにまとめてみたいと思いますが、これから書くことは、条件がそろって子供がやる気になっているときにだけ有効な方法であるということを頭に置いて読んでください。また、いくつかあるアプローチのうちのひとつに過ぎませんから、みんながこのやり方をすればいいということでもありません。人それぞれ自分に合うやり方は違っています。

「認知行動療法的アプローチ」では、

・セラピスト(お母さん)は相談者(子供)に対して障害のメカニズムを詳しく説明したり、治療法について話し合ったり、相談者の疑問にわかりやすく答えたりすることが必要です。
・うまくいかなかった場合は別のやり方を試してみたり、最初に決めておいた方針を捨てて別の方法を提案してみたりといった、臨機応変な対応も求められます。
・どういうやり方で進めるかは、セラピスト(お母さん)が一方的に押し付けるのではなく、相談者(子供)と一緒に話し合い、協力し合って決めていきます。
・そして最終的には、セラピスト(お母さん)と一緒に取り組んだやり方を、日常生活でも相談者(子供)に一人で実践してもらいます。
・そのためには、相談者(子供)自身が積極的に取り組み、自分自身についてよく観察したりしなくてはなりません。


        クリストフ・アンドレ&パトリック・レジェロン著 「他人がこわい」 を参考にまとめました。)

表現のまずいところも若干ありそうですが、ご勘弁ください。なお、興味のある方は本を読んでみてくださいね。


題名: 高2の息子の事について
投稿日時: 2008-07-27 13:54:52
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はじめまして。うちの子は小学校にあがってから人前で話さなくなりました。小中とお友達もいて好きなサッカーのも没頭しそれなりに楽しく過ごしていました。高校にあがってから友達ができなくていろいろと苦しんでいました。2年生にあがってからは登校出来なくなり今は通信制に通っいます。話すという事に今は自信がもてずあきらめている節があります。
私は去年初めて緘黙症という名前を知りました。小一の時にもっと子供の気持ちになって何か手を打っていればと自分ばかり責めていましたが、親が不安定でわよくないとやっと思えてきました。今は、週Ⅰのペースで心療内科に通院していますが、先生もこんなに長く緘黙でいるのはと・・・。大きくくるとどんどんつらい事が増えてでもどうしていいのかと・・・。
でも出来る事は子共に自信を持たせる事ですよね。同じ年頃のお子さんをお持ちでしたのでメールしました 。


題名: ビオラさんへ
投稿日時: 2008-07-28 16:27:05
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 255
ビオラさん、はじめまして。

高校入学時、うちの息子のことで相談に乗っていただいた際、「どうしても無理な時は通信制ということもあるし・・・」と高校の先生からお話がありました。そういう選択肢も考えていましたが、幸い、高1の時に友達ができ、居場所ができて、いいスタートを切ることができました。

しかし、親しくなった友達が最近他の交友関係を求めるようになってきて、うちの子は学校で一人でいる時間が長くなってきたようです。「僕はみんなに相手にされていない」「学校が楽しくない」「学校に行きたくない」という愚痴が多くなってきました。日によって友達との交流もあるらしく、今のところ愚痴を言いながらも学校に行けていますが、「ちょっと苦しい状況だな~」と心配しています。

学校生活を乗り切っていくためには友達の存在が大きいですよね。「ただ待っていてもダメなんだよ。自分からみんなの輪の中に入っていかないと・・・」という話をしていますが、自分から働きかける力が弱い、特定の人としか話せないなど、自分の力でこの状況を変えていくのはまだうちの子には難しいようです。

周囲の子供たちに理解を求め配慮してもらいながら、話さなくても仲間に入れてもらえた中学校時代とは違い、皆と対等な関係でスタートした高校生活ですから、そういう苦労はついて回って当然なこと、友達との関係は常に変化すること、自分から働きかけるのが無理なら一人で過ごすことに慣れなければならないこと、それに耐えていくことも必要なことなど、話し合っています。

息子のクラスメートの中に、2年生になってからパタッと学校に来なくなった生徒がいるようです。1週間に1度か2度のペースでしか来れない子もいます。16歳、17歳は「うつ状態」になりやすい年ごろだということを聞いたことがあります。学校が自分の期待していたものと違っていた、友達とうまくいっていない、勉強についていけないなど、理由は様々なようですが、1年のとき頑張っていたのに、2年生になって踏ん張りきれなくなるケースはよくあるようです。

お母さんも息子さんも、通信制高校への転入の際にはずいぶん悩まれたのではないかとお察しいたします。息子さんは、通信制の高校へはいやがらずに通っていますか?また、息子さんは「話せるようになりたい」という希望を持って、心療内科へ通院することを承諾されたのでしょうか?

医師が「場面緘黙」について知らない場合も多いので、「治療法はありません。」など、頼りにならない場合には、別の相談機関を探す手もあると思います。高校のスクールカウンセラーに聞いたり、県や市の教育委員会の相談機関、発達センターや児童相談所などに電話し、息子さんの状態を説明して、どこに相談するのがベストか再考してみてはいかがでしょう。また、場面緘黙の治療法に詳しくない医師でも、相談しやすい感じなら、場面緘黙の資料や本を読んでいただく手もあると思います。ビオラさんはKnet資料や「場面緘黙Q&A」「場面緘黙児への支援」はもう読まれましたか?

うちの息子の薬を処方していただいていた医師は、「発達障害」や「場面緘黙」について全く知らなくて、理解しようとする姿勢すらありませんでした。でも、年齢が上の子の場面緘黙の治療に有効とされる「認知行動療法(CBT)」について質問をすると、中学校のスクールカウンセラーに相談することを勧めてくださいました。SC(スクールカウンセラー)の先生も、場面緘黙の治療法についてはご存知ではありませんでしたが、本の内容をまとめたものやKnet資料を快く受け取ってくださり、一生懸命勉強していろいろアドバイスしてくださいました。

いろいろと動いてみると、何か得られるものがあるかもしれません。

>話すという事に今は自信がもてずあきらめている節があります。

息子さんは、人前で話さないということですが、家族以外の誰とも話さないのでしょうか?おじいっちゃんやおばあちゃん、お店の店員さん、お医者さんなど、話せる人は誰もいないのでしょうか? また、周囲に誰かいると家族とも話せなくなる感じでしょうか?もし、安心して話せる状況があって本人にチャレンジする気持ちがあれば、そこを最初のステップにして少しずつ発展させていくこともできそうですが、難しい感じなのでしょうか。

息子さんと「場面緘黙症」について話をされたことはありますか?名称に関してはともかく、お母さんが息子さんのつらさを理解していること、同じ症状で苦しんでいる子が世界中にいること、少しずつステップを踏んで慣れていけば、時間はかかってもきっと改善することなど、息子さんに伝わっていますか?

>でも出来る事は子共に自信を持たせる事ですよね。

息子さんが今すっかり元気を失って、何かにチャレンジするような気力がない場合は、ゆっくり休ませてあげるのが1番大事だと思います。そしてどんな小さな進歩にも注目して「頑張っているね」と励ましていくことが 大切なように思います。


題名: 高2 夏休みのチャレンジ
投稿日時: 2008-08-20 20:40:59
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 255
夏休み中はプレッシャーもなくて、息子はリラックスして楽しく過ごしています。ちょっとしたチャレンジにも成功し、新たな目標も見えてきて、少し前向きな気持ちになれたようです。夏休みももうすぐ終わりで、また、「学校行くのやだな~」と言い始めましたが、学校以外のことで楽しみにしていることがあるので、「いやだけど、頑張るよ!」 とも言っています。

夏休みが終わる前に、久しぶりに、本やウェブ上で読んで知ったことをまとめながら、最近私が感じていることなどを書いてみたいと思います。

(今回も、クリストフ・アンドレ著, パトリック・レジュロン著, 野田 嘉秀訳 「他人がこわい―あがり症・内気・社会恐怖の心理学」紀伊國屋書店
を参考にしています。)


《社会不安を克服することについて》

最近の研究では、場面緘黙症は 「社会不安障害」 のひとつなのではないかと考えられています。

そもそも、「社会不安」 は治療すべきものなのか、それとも、本人の努力で克服できるのかという疑問があります。人間関係に悩んでいる全ての人が、「病気」 であるわけではなくて、「それが、『病気』 であるかそうでないかの違いは、その人がどれだけ苦しんでいるかが目安となる」 と本にあります。すべては本人次第で、その人自身が 「変わりたい」 と望んでいるかどうかが問題で、治療すべきかどうかということは、本人の気持ちが最も重要なポイントになります。

「場面緘黙症」 に関しても、子供がある程度の年齢に達した場合、本人が 「話せるようになりたい」 と思っているかどうかが、治療(介入)を始めるべきかどうかのポイントになりますね。

学校で 「話さない」 ことによって心のバランスを保っている子は、それが崩れてしまうのを(無意識のうちに)恐れていますから、自分から 「話したい」 と思うことは難しいでしょう。長い間、場面緘黙状態だった子にとって、今までの行動パターンを変えることへの恐怖心を取り除くのは、とても難しいことです。もし可能になるとすれば、それは、友達との暖かい交流の中で 「友だちともっとつながっていたい」 と実感できたときや、スモールステップで何かに挑戦し小さな自信を積み上げていくことができたときなのではないかと思います。


《スモールステップでチャレンジし続けること》

先日、「かんもくネット(Knet)」の会員の方に、「NPO京都ハートネットワーク」 というブログを教えていただきました。そこには、発達障害傾向を持つ息子に伝えたいことがたくさん書かれてあります。

その中で、 親として特に 「なるほど~」 と思う記事がありました。
7月29日の記事 「療育によって成長・発達が促進される~想像以上の効果がある」 の中の次のような内容です。

●少しがんばればできるような課題を子どもに用意すること
●療育で大事なのが親子共の情緒的安定
 何もしないのが、情緒の安定ではない
 いろいろな事に挑戦することによる子ども自身の成就感が情緒に安定を図る
 そのことによって、自己肯定感や自尊感情を養っていく


スモールステップで挑戦し続けること、努力を認めてほめること、そのことで自己肯定感を育てること。その積み重ねによって自信が生まれ、気持ちが安定し、それまで 「絶対に無理」 とあきらめていたことにも挑戦できるエネルギーが生まれてくるかもしれません。自信を失っていろいろなことをあきらめているかに見えるときでも、何もしないで見守るのではなくて、どんなに小さなことでもいいから、何か挑戦できることを見つけ子どもに提案してみることで、前に進むきっかけをつかめることがあります。最初は、「話すこと」 からかけ離れていることの方がいいんです。7~8割以上成功しそうなこと、うまくいったら楽しいことが待っているようなチャレンジが提案できるといいんですが・・・。


《自立に向けて》

方向音痴の息子は、夏休みに、「地図が読めるようになること」 や 「ひとりでバスに乗ったり、知らない通りを歩くこと」 にチャレンジしています。最初は近いところまで、片道だけで迎えに行ったりしてますが、少しずつステップアップし、次第に自信を深めていく様子がうかがえます。その中で、あわよくば、「わからないことは人に聞くこと」 にもチャレンジできたら・・・と思っています。

これも、Knet会員さんに教えていただいたことですが、「自立って、何でも自分で出来るようになることじゃなくて、『どれだけ他の人の協力を得られるか』 っていうことなんだって。『わからないことがあったら人に聞く』 っていうのができるようになることが、すご~く大事なんだよ」 と息子にせっせと話して聞かせています。ちょっと自信がついてきた息子は 「うん、わかったよ!」 とやる気満々のようです。パンクロック好きの息子の最終目標は、電車やバスを乗り継いで、遠方のライブ会場に友達を誘って出かけることです。今の息子にとって、これが自力でできたらすごいことです。勉強よりも数倍大事なことです。なんとか実現できるようサポートしていきたいと思っています。


題名: ありがとうございます。
投稿日時: 2008-08-22 04:00:40
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みちさん、アドバイスありがとうございます。子供は通信制へは通っていますが今は夏休みでほとんど家でパソコンに向かっている事が多いようです。お使いとかは普通に行ってくれます。あとは夕方、犬の散歩や洗濯物の取り込みなど。以前は中学時の友達と遊んでいたりしたのですが今はほとんどなく心配しています。、家の中ではリビングにいる事が多く笑顔もあります。心療内科では場面緘黙という言葉を先生に言ってみましたが先生は話さない事以外、異状はみられないので場面緘黙ではないといわれました。認識が違うみたいです。カウンセリングの時間がとても長く、といっても話す事は出来ないのでほかの方法ですがその後とても元気になってるので通院は続けています。正直どこの病院が緘黙に詳しいとかわかるといいけどその情報はありませんよね。かといっつていたずらにあっちこっちと行くべきでもない気がします。先生からはアルバイトをすすめられたのですが今の状態で実際難しいです。求人情報誌をみたりハローワークへ行ったりしましたが本人はあまりその気がないようなのでそこで止まってしまいました。祖母とは話します。小学5年の時まで何人かの友達と学校以外の場所ではごく普通に話していました。家庭の事情で引越ししなくてはいけなくなりそのままの学区でも良かったのですが環境が変われば大丈夫かも知れないと子供とも相談して隣の市へと変わりました。転校先の先生には説明してそれなりに支援していただき喋れなくても黒板に書いたり友達も出来て中学卒業までは何でも積局的に参加していたのでいつかきっと大丈夫と過ごしてきました。去年初めて場面緘黙症
の事を知り自分は本当に何もわかっていなかった事や仕事や家事優先で来ててしまった事など自分ばかりを責めていました。執りつかれた様に資料を読み学校の先生に渡して理解してもらおうとしましたが私立の進学校なので先生は今ひとつぴんと来ない感じでした。それでも学業に部活にと本当に頑張った1年だったと思います。学校を辞めたいと言った時にこれ以上無理に行かせると壊れてしまうのではとすごく不安になったし私のせいと思い込んでいて冷静な判断に欠けていたと後悔しています。ひょっとしたらひとつ乗り越える事が出来た時ではなかったかと。学校を辞めてから自信を無くしたのではないかと。病院では心理検査の結果が出て家庭では何の問題もなく過ごせているけど一歩外の世界では自分を守るために自分を無くしていると過去に甘えたいけどそれが出来なくていまに影響してるというものでした。あてはまると思います。過去はどうする事もできないのでこれからですが見守るだけでいいのかと。児童相談所にも
電話で相談しましたが相談者がおおくてサポートできても月1回ぐらいだから今通院しているところは通ったほうがいいとの事でした。私は未熟者で何故?とかどうしたらいいの?そんな事ばかりにとらわれて克服した人のことを読んでこうすればいいと信じ込んでちゃんと子供を見てない気がします。自分を責めて不安な時をすごしても悪影響なだけとやっと思えるようになりました。喋れないという事に対して子供はその話題を避けたがりますが小さなことでもいいから始めようと思います。先週ステーキ店に家族で行きましたが焼き具合を聞かれて小さな声ですが普通と呟くように言いました。私たち家族3人でその時は止まるように見守ってましたが本人に何かプラスになればと思います。長々と書いてしまいました。これからも宜しくお願いします。


題名: ビオラさんへ
投稿日時: 2008-09-05 00:02:20
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 255
ビオラさん、こんばんは。

新学期が始まりましたね。息子さん、サポート校に元気に通っていますか。返信が遅くなってしまい、ごめんなさいね。

>心療内科では場面緘黙という言葉を先生に言ってみましたが先生は話さない事以外、異状はみられないので場面緘黙ではないといわれました。認識が違うみたいです。
>正直どこの病院が緘黙に詳しいとかわかるといいけどその情報はありませんよね。かといっていたずらにあっちこっちと行くべきでもない気がします。


残念ながら、そのお医者さんは場面緘黙に関する最新の情報には触れていらっしゃらないようですね。

でも、息子さんがいやがっていなくて、元気になっているのなら、そのカウンセリングの方法が息子さんに合っているのだと思います。今はなにより元気になること、エネルギーを蓄えることが大事だと思いますから、途中でやめることなく、息子さん自身が 「もういい」 と言うまで続けていかれたらいいのではないでしょうか。
情報ボックス http://bb2.atbb.jp/kanmokunet/viewtopic.php?t=35
や、12月のKnetニュース http://kanmoku.org/news/News200712.htm 
も参考にしてみてくださいね。

うちの子の場合、小6から中1にかけて、児童相談所に派遣されてくる医師の指導を受けましたが、発達障害に関する指導はしていただけても、 「話すこと」 に関しては 「苦手なことなのだから、ゆっくり練習していけばいい」 ということ以外、特にありませんでした。また、継続的に相談に乗ってもらえる感じでもありませんでしたから、中学で不登校の心配がなくなってからは、専門家の指導を頼りにすることはやめました。掲示板などでアドバイスをいただきながら、本やウェブ上の情報を頼りにここまでやってきました。

仮に頼れる専門家に出会えて的確な指導を受けることができたとしても、場面緘黙の場合、実際に子供を支援できる場は、家庭や学校です。お医者さんに通ったからといって、お医者さんが話せるようにしてくれるわけではありません。毎日接している家族や学校の先生が、子供を励まし勇気づけながら、対処できる場面をどう増やしていけるかが改善のかぎになるのではないかと思います。

でも、もし運よく信頼できる医師や心理士に出合えれば、1ヶ月に一回の相談だとしても、お母さんや息子さんが自分たちだけで思い悩むより何か得られるものがあるのではないか・・・とも思います。この先、現在のカウンセリングで息子さんが十分エネルギーを蓄えられて 「これだけでは物足りない」 「自分の力で克服するのは難しい」 と感じるようになったら、そのときに場面緘黙に関する知識をもった専門機関を探してみるという手もあると思います。

掲示板などに登録して、メンバーリストの中で同じ地域に住んでいる方にPMを送って質問してみるとか、情報交換の会などに入会して情報を得るという方法もあると思います。

別スレの
>5月の終わりから個人のクリニックにも通い始めて今はプッレシャーが必要といわれているのですが気持ちは揺れています。プレッシャーはある程度必要ともおもいますが怖い気もします。

「プッレシャーが必要」 とはどういったプレッシャーのことでしょう? 現実的に無理なことを提示して 「○○できなきゃだめ」 と言うようなことなら、逆効果ですからやめたほうがいいと思います。

私も場面緘黙を知らない医師と長くお付き合いしてきましたが、身近に相談できる場がそこしかないとしたら、割り切っていいとこ取りでお付き合いしていくしかありません。ぜひ、「Knet資料」 や 「場面緘黙Q&A」 などを参考になさって、ときどき医師から受ける、とんちんかんなアドバイスを上手に受け流して、息子さんが少しでも前向きに自分の課題に向き合えるよう支えていただけたらと思います。

お医者さんがおっしゃっている 「プレッシャー」 の意味が、今の息子さんにとって 「無理のない課題を用意する」 ということなら納得できます。いきなり、「アルバイトをしたほうがいい」 とか 「学校で話せるようにがんばろう」 などは、現実的に考えて、ハードルの高すぎる課題だと思います。将来そういったことを目指すために今できることは何か、小さな小さなステップを登って行けるように、少しずつ背中を押すような 「プレッシャー」 なら必要と思います。

息子さん、お使いをいやがらずにやってくれるのはうれしいですね。うちの息子は、何がどこにあるかを探すのがとても苦手で、ちょっと複雑なことを頼もうとすると混乱してすぐにいらいらします。それで、面倒なので、これまでほとんど買い物を頼むことをしてきませんでした。自分の買いたいものを買うのなら喜んで出かけて行くのですが・・・困ったものです。今までは自分の好きなものを買いに行ければいいか・・・と思っていましたが、ビオラさんの書き込みを読んで、もっとそういう機会を作ってあげないとだめかも・・・と思えてきました。これからは、できるだけお使いなども頼んでみたいと思います。

>私は未熟者で何故?とかどうしたらいいの?そんな事ばかりにとらわれて克服した人のことを読んでこうすればいいと信じ込んでちゃんと子供を見てない気がします。

信じて見守るだけで、大人になって自然に話せるようになる人もいれば、そうでない人もいます。わが子はどうなのか・・・うちの息子のことも、この先どうなっていくのか、安心できる状況ではありません。

でも、私は、過去のことを後悔したり、未来のことを心配するより、今を充実させたいです。「もう高校生」 といっても、実際のところ、みんなが当たり前にできていることがうちの子にはできないわけなので、今息子にしてやらなければならないことがまだあると思うのです。今私にできることを少しでもみつけて、空振りになってもいいからやっていきたいと思っています。やらずに後悔するのはいやなので。

>自分を責めて不安な時をすごしても悪影響なだけとやっと思えるようになりました。喋れないという事に対して子供はその話題を避けたがりますが小さなことでもいいから始めようと思います。

自信がついてきたら、「喋れないこと」 について少しずつ話題にできる日が来ると思いますよ。まずは、テレビやインターネット漬けの毎日にならないように、どんどん外へ連れ出して、家庭以外の場所で親子で会話することにチャレンジしてみてはどうでしょう。悩みは尽きないこととと思いますが、一緒に頑張っていきましょうね。こちらこそ、よろしくお願いします。


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