みち
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題名:
中学校生活を支えてきたもの ③
投稿日時: 2006-11-14 09:35:21
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登録日時: 投稿記事数:
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● 友達や先輩が助けてくれた
実は、3年前、うちの子が中学進学の際、別の校区(主人の実家)に引っ越すことを真剣に考えました。「全く新しい環境に変わったことがきっかけで話し出す子がいる。『しゃべれない自分』というのを壊して変わろうとするには、全く新しい環境でやり直すのも一つの手。また、大きい学校では、配慮をお願いしても目が行き届かない可能性がある。」と、児相の臨床心理士さんがおっしゃったからです。心理士さんは緘黙克服に関してはあまり詳しくなくて、これくらいのアドバイスしか思いつかないようでした。
「この小学校の子はきらいだ。誰も僕を知らない場所に行きたい。そうしたら話せると思う。」と息子は言っていました。その頃息子には、クラス外の生徒とのトラブルが頻発していて、とにかくそこから逃げ出したかったようです。小学校のみんなと同じ中学校に進学するか、引っ越して全く知らない子の中で中学校生活を始めるか、道は2つにひとつ。私は新しい環境に賭けてみたい気持ちにかなり傾きました。6年生の秋のことです。
2つの中学校に電話したりしていろいろ調べました。 同じ校区の中学校は、市内で1番のマンモス校です。部活動は何種類もあって、もちろん卓球部もありました。場面緘黙症に関してはあまり知らないようでしたが、配慮の必要な子も、毎年全体で1人か2人入ってきており、不登校、LD、ADHDに関しては先生たちが研修努力中とのことでした。
主人の実家のほうの中学校は、田舎の小さな学校です。電話で教頭先生とお話することができました。部活動について聞いたところ、男子が入れそうな部は、野球部、剣道部、陸上部くらいしかないとのことで、卓球部はありませんでした。それから、場面緘黙児への特別の配慮をお願いしたい場合の受け入れ体制について質問すると、「特殊学級に1名病弱な子がいますが、その他の経験はありません。その子だけのために何をするというようなことは今言えません。小さな学校なので、かなり目立つでしょうね。」と、なるべくなら来てほしくないような口ぶりでした。
また、児相の児童福祉司さんの話によると、市町村が別のため、入学前にクラス担任などの配慮をお願いしたい場合、教育委員会を通さなくてはならないとのことでした。舅、姑にこの話をしたところ、「とにかく小さい町だから、教育委員会の方へ児童相談所から連絡が行ったというだけで、すごく話題性のあることだ。たちまち、町中に知れ渡ってしまう。孫がかわいそうだ。」という話になりました。「えー!信じられない!」と思いましたが、田舎とはそういうものらしいです。
でも、本人が「引っ越したい」という強い気持ちを持っている以上、それを否定することはためらわれました。息子が中学校でうまくいかなかったときに、「あのとき引越しをしてくれなかったせいだ」と恨むような気がしたからです。
結論が出ないまま、児相での検査結果を待つうちに、子ども会対抗卓球大会が近づいてきました。大会のための練習に参加しているうちに、友達との絆が深まり、息子がこんなことを言い出しました。「K君がぼくのことを守ってくれる。K君がぼくのこと離さないんだ。K君と別れたくない。」
私と主人、おじいちゃん、おばあちゃんの4人で話し合いました。「転勤してきてから2年半かけて築いてきた、やっとうまく行きかけている人とのつながりを全部切り捨てて、誰も知っている人のいない場所へ行ってしまえば、また一人か二人の理解者を得るのに2~3年かかってしまう。今いるところで頑張っていけば、助けてくれる人がたくさんいるはず。引越しは、結果的にうまく行かなくなったときに考えればいい。」という考えで、結局、引越しはやめて同じ校区の中学校に入学することに決めました。
1年生のときにK君と同じクラスにしてもらえなかったことは計算外でしたが、それでもずいぶん助けてもらいました。私自身もK君のお母さんと親しかったので、事情を説明してお願いをすることができました。保健室登校をしていたとき、朝一緒に登校して保健室まで連れて行ってくれ、休み時間に他の仲間も一緒に誘って遊んでくれたり、図書館に連れ出してくれたりしました。また、スポ少のとき一緒だったお母さんにも事情を説明し、1年上の先輩に部活動のとき保健室まで迎えにきてもらったりしました。
緘黙児と一言で言っても、いろいろなタイプがいると思いますが、うちの子の場合、行動面で難しいものをもっていて、集団の中で自分の判断で行動を起こすことがひどく困難です。特に新しい環境では緊張感が強く、「緘動」の状態になってしまいます。ですから、3年前に引っ越していたら、もっと大変なことになっていたでしょう。
話さないだけで、新しいことに対する不安や場慣れの悪さが目立たない子は、ある程度自分の意志で、「勇気を出して自分を変える」ということができるような気がします。一方、不安の強い、うちの子のようなタイプには、環境変化は逆効果のように思います。接し方に慣れていてさりげなくサポートしてくれる友達の存在が、とても重要だと思います。このことは息子のこれまでの歩みを振り返ってみて、今言えることで、そのときにはわかりませんでした。
どちらのタイプの子供たちも「新しい学校では、絶対に話そう。」と思うようですが、それは「今のままでは話せない。なんとか今の苦しい状況から逃れたい。」という気持ちの表れだと思います。「話さない自分」を知っている人がいない場所に行けば、話せるような気がするのでしょう。「新しい環境で話したい」という希望をかなえるだけの準備が、子供の中でできているかということを見極めるのは、難しいことかもしれません。結局、「母の勘」でしょうか・・・。賭けですね。
うちの子の場合は、「友達」に賭けてみて、正解でした。
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みち
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題名:
英語と国語の授業で困ったこと
投稿日時: 2006-11-14 14:43:04
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登録日時:2013-10-18 04:45:31 投稿記事数: 255
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◆ 中学1年 6月の続き
息子が授業に出るようになって、いろいろと困ることが出てきました。5秒ルール(5秒待って言えなかったときは「じゃまたこの次ね」と軽く流すやり方)は、全教科の先生方に伝わってはいましたが、英語の時間の発表の場面では、周りの子どもたちの息子への催促や励ましの言葉などもあり、かなりプレッシャーがかかったようでした。
保健室登校から教室へのチャレンジを始めるときに、「部活動も、声だしをやらなくていいという保障つきで参加できるようになった。なんとか教室に入れるように、各教科の先生方にご協力をお願いしたい。本人に『授業中の発表をやってみる』という気持ちが出てくるまで、書くことで補えないか?」といったことを、担任の先生と相談しました。でも、どう考えても、スピーチなどの発表を重視する国語、コミュニケーションの教科である英語に関しては、全員発表の場面を避けて授業を進めることは不可能でした。
そこで、「全員発表の場面設定がある時間だけ、体調不良ということにしてもらって、保健室で自習させたい。事前に教科担任の先生から指導計画を確認していただき、息子のほうへ知らせてほしい。」ということをお願いしました。本人のいないところで、息子の書いたものを先生が読んでくださったり、全員発表の形を、あえて班代表の形にしてもらったり、ごまかしごまかし、切り抜けていきました。
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みち
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題名:
音読を録音して聴いてもらう
投稿日時: 2006-11-15 00:27:19
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登録日時:2013-10-18 04:45:31 投稿記事数: 255
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◆ 中学1年 7月
期末テストが終了した日の息子の日記です。「6月29日 今日もテスト自信がなかった。だけど英語は80点以上とりたい。」 翌日、英語の答案が返ってきました。「6月30日 英語は97点だった。すごくうれしかった。」 「7月1日 今日、初めて体育に出れた。すごくうれしかった。」 「7月2日 今日もがんばったので、月曜日は音読もがんばる。」
1学期も終わりに近づき、国語と英語の音読テストが行われたようです。息子は、英語の期末テストでほめられて、体育の授業にも参加でき、大いにはりきっていたようですが、教室での音読の際は声が出ず、次の日からまた調子が悪くなります。話さないことで卓球部の1年生とトラブルが起きたりもしました。「部活に行きたくない。学校にも行かない。」と言い出し、担任の先生に相談したところ、「仲直りの会」を開いてくださって、ペコンと頭を下げて謝って、握手をして、無事解決。
息子の日記 「7月7日 部活でやなことあった。」 先生のコメント 「いろいろなことがあるけれど、乗り越えていこうね。そのためだったら、何でも協力するよ!!」 「7月8日 今日ちゃんとあやまれたのでよかった。」
音読テストについては、「せっかく上手に読めるのに、聴いてもらわないのは惜しいから、家でカセットテープに録音して先生に聴いてもらおう。」という話をし、なんとか息子の了解をとりました。「正規の評価とは関係なく、本人が納得できるように」ということで、担任の先生にお願いをし、国語と英語の教科書を音読したものを、各教科担任に聴いてもらうことになりました。、
息子の日記 「7月9日 カセットテープを出せてよかった。うれしかった。」
息子はその頃、「自分の声は変だ。」と気にしていましたが、テープを聴いた先生たちから、口々に「いい声だね~。」「読むのじょうずだね~。」と声をかけられ、すっかりその気になって、音楽の歌のテストの分まで録音して聴いてもらうことになりました。音楽の先生からは丁寧なお手紙までいただき、ますます喜んでいました。
直接ではなかったけれど、音読を聴いてもらうことでたくさんほめてもらい、息子はすっかり調子を取り戻しました。
「7月15日 今日は最初から出れて、しかも体育に出れたのですごくうれしかった。」
こうして、いい感じで1学期を終えました。
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はは
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題名:
こちらのトピは初めてです。
投稿日時: 2006-11-15 08:01:58
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登録日時: 投稿記事数:
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みちさんの、おじいちゃん、おばあちゃん、先生方の協力。 周囲に恵まれていいなあ。周囲の理解があって、うらやましいなあ。という見方をしてはいけない、と感じています。 そこにたどり着くために(理解を得て、協力して貰うために)みちさんは、影で想像できないくらいの努力をされてきたんだと思います。
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みち
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題名:
ははさんへ
投稿日時: 2006-11-15 12:03:59
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登録日時:2013-10-18 04:45:31 投稿記事数: 255
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ははさん、ありがとうございます。
担任の先生がすごく話しやすかったこと、また、こちらから連絡をとりやすい形を工夫してくださったことが、すごくありがたかったです。
私が続けてきたことは、とにかく「伝えること」です。「伝えようとしなければ何もわかってもらえない」ということは、息子にもいつも話しています。
入学式の日に学年主任の先生が、「『小学校と違って中学校は敷居が高い』という話をよく聞きますが、そんな風に言わずにいつでも学校に来てください。何か気付いたことがあったら連絡をください。ご家庭と学校と手を携えて、子どもたちを育てていきましょう。」というあいさつをしていました。
だから、というわけでもないのですが、私はしょっちゅう中学校の職員室へ行きます。「あ、また来てる・・・」と思っている先生たちもいらっしゃるかと思いますが、うるさがられているとは感じていません。先日は、教頭先生に「職員室にすっかり馴染んでいらっしゃいますねえ~。」と声をかけられました。
日々の忙しさの中で、先生たちの動きが止まってきたら、気軽に職員室に出かけて、思い出してもらうようにしています。
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けいこ
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題名:
復習タイム
投稿日時: 2006-11-15 14:02:44
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登録日時: 投稿記事数:
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みちさんの書き込み、 大事なことが散りばめられているのに、大量なので消化できずもったいない気がします。 私自身自分のために、要点をまとめようとしたのですが、 せっかくだから書き込みしたくなったので、みちさんの了承を得ました。 みちさんありがとうございます。私の「復習タイム」です。 みちさん、おかしいところは書き直すので言って下さいね~。
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No.1 「チャレンジ5(ファイブ)」・・・5ポイントたまるとボーナス(現金)が出るシステム!
①心の中ではやりたい気持ちがあるのに、勇気がなくて一歩が踏み出せない時、 最後のひと押しが「やってみようかな・・・」という気を子どもに起こさせる。 ②子供にとって難しすぎる課題はダメ(とても魅力的なごほうびを提示した場合、 それが手に入らなかったときのことを考えて、ますます不安になってしまう) ③子供に全く取り組みたい気持ちがないときには逆効果。 ④子どもが今できているところから、細かいステップを組む。 一度にさせるのではなくて、 1日ひとつクリアすればOK、初めてクリアできたときには一緒に喜び、子どもは1ポイントをゲット。 ⑤子どものおこづかいの基本給は小学校低学年のときのまま据え置き、祖父母の協力を得るのもいいかも。 ⑥小学校時「小さな課題をクリアするごとに続きものの漫画本を2~3冊ずつ、から発展
例)「母親と一緒に保健室に入る」「保健室で午前中を過ごす」「保健室で母親と一緒に弁当を食べる」「母親のいないところで弁当を食べる」「保健室で朝から放課後まで過ごす」・・・・「保健室の先生に筆談で答える」「一人で学校のトイレに行く」「友達と一緒に登校する」「授業に1時間だけ参加してみる」「授業に2時間参加する」など
No.2 子どもの好きなこと、得意なものを育てるぞ!~みちさんの子どもさんの場合~
●卓球 小学校高学年、スポ少に入団して、親も玉拾いなど一緒に参加。卓球大好き少年に。 月謝を払って別の卓球教室にも参加。 スポ少に参加していたことが、中学校の部活動につながる。 部活が楽しいことが、中学生活の支えになった。
●学校英語を得意科目にする 小5、大好きなおじいちゃんに毎週1回見てもらい、ローマ字の読み書きをマスター。 小6、英語の教科書を読んで意味がわかればOK。ノートに書き写す練習を続ける。 小6の1月の英検5級をめざし合格。 中学では、得意科目の英語の勉強に時間をかける。 予習重視(新しい物が苦手、見通しが立ちにくい彼の特徴をカバー) 良い成績が自信になる。
●苦手な数学は適当にすませる 数学のわからない問題は答を写していいことにして、あまり時間をかけさせない (得意と不得意の差が激しい彼の特徴を理解)
No.3 どの中学校にするか迷っている時は? ①子どもは「新しい学校では、絶対に話そう」と思うが、それは「今のままでは話せない。 なんとか今の苦しい状況から逃れたい」という気持ちの表れ ②話さないだけで、新しいことに対する不安や場慣れの悪さが目立たない子は、ある程度自分の意志で、「勇気を出して自分を変える」ということができることも。でも、見極めるのは難しい。(本人に自信や不安対処力がついてきて、準備が整っていれば、全く新しい環境に変わったことがきっかけで話し出せる子もいるが、期待は禁物。) ③学校や関係機関に電話して下調べ ・部活動の種類や活動状況 ・配慮の必要な子どもの、現在の状況 ・不登校や特別支援に対する、学校の姿勢や教員の意識 ・福祉機関や教育センターとの連携実績 ・田舎は特に地域の特性を考える。 (4月にキーになる 教員が配置換えになる可能性はあり) ④協力者の意見を確認(福祉機関や教育センターの体制・祖父母や親戚) ⑤これまで築いてきた環境のプラス面の確認(サポートしてくれる友達の存在・保護者友達や知り合いの理解者) ⑥マイナス面の確認(いじめっ子がいる、環境を変えたい) ⑦子どもの意見で何に注目するかを考える。子どもの意見を尊重する。
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みく
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題名:
投稿日時: 2006-11-15 19:02:15
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登録日時: 投稿記事数:
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これまでの息子さんの様子とみちさんが取ってきた対策を、こんなに細かく伝えていただいて、すごく参考になります。
カセットテープを使用して、自分の声を先生に聞いてもらうのは、イギリスでも治療によく使われている方法です。本人に承諾を取って間接的に「話し声を聞いてもらう」ことで、「話せない」不安が減少され、ひとつステップアップしたことになるのです。先生にとっても、緘黙児の学力を知る上で有効ですし。そこから徐々に、「この先生は自分の声を知っているから、直接話しても大丈夫かな」という気持ちに持っていく訳です。小さい子用には、録音できる玩具を使うことも多いのです。
みちさんは、こういった意識を持ってカセットテープを使用されたのでしょうか?それとも、偶然?いずれにしても、先生から誉められて息子さんのやる気がでたことで、大成功でしたね。その場で子どもから反応が返ってこなくても、先生が頻繁に声かけして誉めたり、励ましてあげることは、すごく大切だと思います。
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みち
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題名:
けいこさん、みくさんへ
投稿日時: 2006-11-16 00:25:17
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登録日時:2013-10-18 04:45:31 投稿記事数: 255
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けいこさん 私のとりとめのない文章を、とてもわかりやすく整理していただき、感激しています。ありがとうございました。
みくさん みくさんのコメントを読んで、うれしくなりました。私は知らないうちに、治療プログラムのステップを踏んでいたんですね。
でも、2年前に、先を見越してカセットテープを使ったわけではないです。うちの子の場合は、小学6年生の時点で、原稿があれば教室で発声できていましたので、小学校でできていたことが、中学校でできないはずはないという思い込みがありました。本人にもそういう気持ちがあったと思います。「教室で音読できなかったことでがっかりしていた息子が納得できる形を」と考えて、たまたま録音を思いつきました。
それから、音読は他の生徒より得意だと思っていたので、できることを認めてほしいという気持ちもありました。「評価とは関係なく」とは言いながら、「あわよくば成績に加味してほしい」という期待もちょっとだけありました。実際、先生たちはカセットテープを提出したことを大変喜んでくださって、たぶん通知表を書くときにも、考慮してくださったと思います。緘黙っ子については、「本当はこんなにできるんですよ~。」とアピールすることも必要だと思いました。
この「カセットテープ録音作戦」は、2学期になって、先生と1対1での個室での音読につながりました。
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のひめ
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題名:
こんにちは♪
投稿日時: 2006-11-16 15:26:01
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登録日時: 投稿記事数:
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みちさん ご無沙汰しております。 いつも ロムだけは させてもらってました。
自分の意志をしっかり持つ 年齢が上の子のスモールステップ 大変 参考になります。 私も 将来 中学校の職員室への入りびたりを 目指して 頑張ります (*^_^*)
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みち
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題名:
のひめさんへ
投稿日時: 2006-11-17 00:05:40
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登録日時:2013-10-18 04:45:31 投稿記事数: 255
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のひめさん、読んでいただいてありがとうございます。
まだまだ取り組みの途中で、振り返っている場合でもないのですが、今書いておかないと書けなくなってしまいそうなので、なんとか中3の現在までの流れを記録しておきたいと思っています。
先日、高校のオープンスクールに子供と一緒に行ってきました。高校の入試相談担当の先生に場面緘黙症を知っているか尋ねたところ、「聞いたこともないし、そういう生徒を扱った記憶もない。」との答でした。「あ~、高校に行ってから、また大変だあ~」と思いました。
スクールカウンセラーの先生にそのことを話すと、「いないわけではありません。実際、場面緘黙のお子さんに何人か会ったことがあります。でも、不登校にでもならない限り、おそらく学校では問題としてとりあげられないのでしょう。こんな風にお母さんのほうから学校に働きかけをしている例は初めてです。」とのことでした。
うちの子の場合は、幼稚園入園時や小学校入学時にその兆候が見られながらも、担任の先生の対応がよく、どうにか場面緘黙になることなくやり過ごせていました。にも関わらず、親に知識がないために、2度も転校させることで、わざわざ場面緘黙にさせてしまったようなものです。考えるとつらくなります。
この先、息子は緘黙と長くつきあっていくことになるとは思うのですが、今少しでも、「練習すれば話せるようになる」という手ごたえを、息子が感じることができれば・・・と思います。
私の場合、お願いしたいことは遠慮せず、ダメモトでまずは「子どもがこんなことにチャレンジしたいと言っているのですが、こんなふうにしてもらえませんか?」と伝えてみます。「学校の事情で無理です。」と断られるときもありますが、そういうときは「そうですよね~。」と軽く流して引き下がります。でも、意外に簡単に通ることもあります。
いったんOKの出た取り組みも、行事や会議など学校の都合で先送りになることが多く、こちらの期待通りには進みません。先生たちは、様々な雑務や手のかかる他の子供たちに振り回されて、毎日大忙しです。だから、「この頃、かまってもらえないな~」と思ったら、時々「忘れないで~!」のメッセージを送り続けていかないとダメみたいです。
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