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題名: 非言語的コミュニケーションができるようになる
投稿日時: 2006-12-09 23:31:04
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◆ 中学2年 2学期

《友達関係が変化》

小学生のときから頼りにしていたK君、T君が同じクラスになったことで朝の登校がだいぶ楽になりました。私もお母さんと親しいので、息子が何かわからなくて困っていると、度々Kさん宅に電話して教えていただいたりしてました。K君は世話好きのガキ大将タイプ。自分にも他人にも厳しい優等生です。クラスの男子が大きく二つのグループに分かれているのですが、そのひとつのボス的存在で誰も彼には逆らいません。小学生のときから、気が合うからというよりも、面倒を見る気で意識的に息子に関わってきた子でした。もしかしたらお母さんが、「転校してきて友達もいないのだから、仲良くしてあげなさい。」と言ってくれていたかもしれません。

K君は基本的には面倒見のいい子で、しっかり者で頼りになるのですが、彼を敵に回すとやっかいです。たたきぐせがあって、ちょっとした落ち度があると頭にガツンとげんこつが飛んできます。たたかれた息子が1度怒って、彼のかばんを蹴飛ばしたことがありました。何も言わずにけとばすわけなので、された方としてはわけがわからず、かなり怒ってしまって、「あいつを無視しろ」ということになってしまいました。誰もK君には逆らえず、息子はみんなに冷たくされることになってしまいました。

先生に相談しようか、とも思ったのですが、お母さんと日頃から親しくしているのに、先生に言いつけたような形になるのもまずいとも思い、お母さんに相談しました。かばんをけとばしたいきさつ、たたかれるのをすごくいやがっていること、K君をとても頼りにしていること、K君が大好きで他に友達がいてもやはりK君にかまってほしいこと、K君が「無視しろ」と言えば誰も逆らえないこと、この状態が長く続けば「いじめ」になってしまうこと、どうしても彼の腹の虫が治まらないのなら、息子を謝りに行かせるから、なんとかとりなしてほしいこと・・・を話しました。お母さんが上手に話してくれたらしく、無視されることはなくなって、表面的にはまるく治まりました。でも、息子はしだいにK君を苦手に感じるようになりました。

K君と息子では大人と子どものようなもの。最初から対等な関係ではありませんでした。タイプが違うのはわかっていたことで、ウマが合わないのはしかたがないようです。「活発で世話好きな子どもよりも、大人しくて協調性のある子どもが適切である」と資料3にもありましたが、一方的な関係っていうのはいつか破綻するようです。

担任の先生は、席順や班分けに気を配り、長い時間をかけて別の友達作りを仕向けてくださいました。そのおかげで少しずつ、おっとりのんびりタイプの子どもたちと親しく交流できるようになり、息子はだいぶリラックスして過ごせるようになっていました。友達とふざけあう姿も見られるようになりましたが、一方、無言のまま様々な行動に出るため誤解も生じやすく、トラブルになることも度々でした。そんなときには担任の先生に相談しました。

先生は、相手の子の言い分を聞き出し、息子がどんなつもりでそういうことをしたのかを上手に伝え、誤解を解いてくださいました。部活動中のトラブルも何回かありましたが、顧問の先生に相談しても解決しないので、結局担任の先生に中に入っていただきました。必要に応じて同じ学年の卓球部員全員(他クラスも含めて)を集めて、仲直りの会を開いてくださいました。

いろんなことがあり大変でしたが、何かあるたびに息子は少しずつ学んでいったようです。そして、相手に対して悪いことをしたときに身振りで謝ったり、ありがとうの気持ちを伝えたりすることができるようになりました。ジェスチャーで多くのことを伝えられるようになり、身振り手振りのコミュニケーションが自然にできるようになっていきました


題名: 復習タイム
投稿日時: 2006-12-10 17:36:12
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みちさん、中2の2学期まで来ましたねぇ!!
復習タイムです。

No.6 学校環境で不安を減らす工夫  ~ヘッセ君(みちさんの息子さん)の場合~

①何が不安か、子どもが言える関係づくり。何が不安か詳しくわかると対処しやすい。
ヘッセ君の場合は細かく母親に言えるので、それを先生に伝えることができた。
②先生にはわかりやすい働きかけ、具体的な指示、答えやすい質問をしてもらう。
③提出課題や連絡事項については、聞きもらす場合があるので、メモや連絡ノートに書いてもらう。
④大きな行事は前もって、先生からメモで知らせてもらい、どのように取り組みたいか
子どもと親で話し合い参加方法を決める。特に初めての行事は不安!
⑤行事は個別参加、音楽コンクールでの口パク参加、欠席も検討。
⑥教室に行くことが不安な時、保健室での学習、一人で静かに過ごせる別室の用意をお願いする。(後退しても心配しない。成長は一進一退)

No.7 成績評価で損させない!

本人が無理なくできる方法はないか?
①技術・家庭科、美術などの作品作りは、こっそり家への持ち帰りをお願いする。
②国語の音読、英語の音読や暗唱、音楽の歌は、自宅でテープを録音して先生に聞いてもらう。小学校までの経験が下地になり、成功!(楽器のテストにも使えるかも)
③電話で音読を先生に聞いてもらう方法を検討してみるのもいいかも。
④スモールステップで、別室での音読テストに挑戦


みちさんは、他のクラスの名簿もすぐもらえました?
個人情報保護法とかで、
保護者の方でも、なかなかもらえなかったことがあります・・・。


題名: 他のクラスの名簿
投稿日時: 2006-12-10 21:50:53
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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うちの学校はあまり神経質になってないみたいです。でも、ひょっとしたらこっそり渡してくれたのかも。

そういえば、今年度の学級連絡網は下の子の方は名前のみで、電話番号が書いてありませんでしたが、上の子のは電話番号も全員分載ってました。

担任の先生によって違うみたいですね。


題名: やっと、落ち着いた中学校生活に
投稿日時: 2006-12-10 23:17:50
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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◆ 中学2年 3学期

《個室での暗唱テスト》

息子に対してずっと厳しかった英語の先生でしたが、3学期くらいになったら少し態度が和らいだようです。たまたま私が授業参観に行ったとき、英語の授業だったのがよかったのかな?と後で思いました。

中学校の授業参観って、見に来る保護者の方が少ないので目立ちます。先生は、親が見ているのを意識したのか、息子を指名し、答が書いてあるのを確認してさりげなく正解であることを皆に告げ、自然な流れの中で息子を授業に参加させていることをアピールしていました。その後、息子が 「英語の先生、ぼくに優しくなったよ」 と言うようになりました。こんなことなら、もっと早く英語の先生にお会いして、「息子をよろしく」 とお願いしておけばよかったかなと思いました。

3学期は英語の先生の方から、初めて個室での暗唱テストの提案がありました。「せっかく先生が言ってくれているのだから」 ということで息子を説得し、放課後連れて行って、個室で暗唱を聞いていただきました。わざわざ放課後、息子のために時間をとってくださった先生には、感謝の気持ちをいっぱい伝えました。3学期の英語の評定は「4」に上がりました。

2年生になって、国語の先生にも2回くらい個室で暗唱を聞いていただきました。国語の先生が初めて息子の声を聞いたときは、感激して涙していらっしゃったそうです。

でも、1年生のときに比べると、個室でのチャレンジの回数は減りました。このころ、私には 「スモールステップでクラスでの発話につなげよう」 などという意識はなく、「本当はこんなにできる」ということを少しでも先生方に認めていただければ十分と思っていました。

《安定した学校生活》

体育の授業が不安でたまに個室で過ごすことがあっても、翌日には立て直すことができ、また、友達とのトラブルもあまり起きなくなっていました。私の方から先生にお願い事をしたり、担任の先生から電話をいただくこともほとんどなくなっていました。やっと普通の学校生活が送れるようになったようで、先生もほっとしていたことと思います。

息子も 「高校生になったらしゃべる」 と言っていましたし、児相の指導でも 「緘黙そのものを治そうとしてもダメ」 と言われていたので、場面緘黙をなんとかしたいという気持ちは私にはありませんでした。 「自閉傾向なのだから仕方がない。このままあきらめてなりゆきに任せるのが、親子共に楽に生きる道」 と思っていました。


題名: 残すは、修学旅行のみ
投稿日時: 2006-12-18 14:46:05
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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◆ 中学2年 3学期の続き

《修学旅行準備》

2年生の運動会、合唱コンクールなどを、無難にこなし、クリアしていない中学校の行事は 「修学旅行」 のみとなりました。息子は、中学校入学当初から、「修学旅行には行かないからね!」 と宣言していました。私も、「別に行きたくなかったら無理して行く必要はないよ。」 と1年生の頃から言い、「おそらく行かないことになるのだろう」 と主人とも話していました。

実は小学校時代の「宿泊研修」「修学旅行」の際には、息子にとってつらい出来事がありました。楽しいこともあったはずなのに、その言葉を聞くとつらいイメージだけで頭がいっぱいになってしまう様子なのでした。ひとつは中1のとき執拗にいじわる発言を繰り返していたA君に、5年生の宿泊研修で息ができなくなるほど強くおなかをパンチされたこと。もうひとつは、6年生の修学旅行で、他クラスの男子生徒数人が部屋に乱入してきて、よってたかって鼻血が出るまで顔面に枕を投げつけられたこと。また、同じ部屋にいたやはりちょっといじめを受けやすそうなタイプの男の子が、指を骨折していて包帯を巻いていたにもかかわらず、息子の目の前で思い切り手を踏みつけられ泣かされていたのを見たこと。その男の子たちは、ゲラゲラ笑いながらやっていたそうです。修学旅行から帰ってきた日の息子の最初のひとことは 「ぼく、リンチされた」 でした。その後、小学校で、同じ子どもたちとトラブルがあったため、担任の先生に修学旅行のことも話して指導していただき、彼らは謝ってくれましたが、心の傷になってしまったようです。

中学校の修学旅行は3年生の4月早々に予定されていたため、2年生の3学期から準備が始まり、班編成やホテルでの部屋割り、班ごとの行動予定など、2年生の終わり頃までにはほとんど準備が整っていました。先生は、活動しやすい生徒を同じ班にしてくれて、部屋割りなども 「○君と同じ部屋でいいか」 など、息子の気持ちを確認しながら考えてくださいました。

息子は、みんなと一緒に修学旅行準備の活動に楽しそうに参加し、だれだれと同じ班になったとか、普通に話題にもしていました。でも、やはり、春休みには 「ぼくは修学旅行には行かないからね!」 と言ったり、そうかと思うと行きたそうな話をしたり、揺れているようでした。気持ちが揺れていることは、担任の先生に伝えてありましたが、クラスはとてもいい雰囲気で、息子がすっかり学校生活に慣れてリラックスして過ごしていたので、当然修学旅行にも行くものと、先生は考えていたようです。


題名: 修学旅行をどうするか・・・
投稿日時: 2006-12-22 11:42:17
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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◆ 中学3年 4月

《修学旅行キャンセルの話をする》

出発1週間前になり、息子は 「絶対に楽しめないと思うから行かない」 という結論を出しました。主人とも相談して、「修学旅行には行かないで、家族旅行にでも行こう!」 という話になりました。何より、親としても楽をしたくなった、というのが正直なところです。「修学旅行にはつらい思い出があるので、行かないと言っている」 ということは、1年生の頃から先生に伝えてありましたし、連れて行けば先生たちが苦労することは目に見えていたので、「行かないことにします。」 とひとこと言えば、あっさりOKが出るものと思っていました。

担任の先生にキャンセルの電話をしました。「準備の活動には参加させていただき、当日の体調不良ということにさせてください。」 とお願いしました。

ところが、担任の先生は、「修学旅行は中学校生活の1番の思い出になるもので、準備段階から相当な時間をかけ、帰ってきてからも報告書作りなどの様々な活動があり、しばらくはその話で盛り上がることになる。そこにひとり参加しないということになると、みんなの話題についていけなくなる。仲間はずれになったような気分になり、おもしろくない思いをするのが心配。また、今からではキャンセル料がかなりかかる。不登校気味の子も含めて、修学旅行には学年全員参加するので、なんとか連れていきたい」 と、強く言ってくださいました。

私の方からは 「行くつもりで準備をしても、当日の朝ブレーキがかかって行けなくなれば本人がかなり落ち込むことが予想される。また、仮に行けたとしても、いろいろと失敗して傷ついて帰ってくれば、その後の学校生活に悪い影響を与えることが心配」 といった話をしました。

先生からは、「無理のない行動予定に変更したり、不安な活動はホテル待機にすることもできる。体調不良で保護者が付き添う生徒もいるので、お母さんが一緒に行くという手もある。」 との提案がありました。

「そこまでして行く意味があるのでしょうか・・・?」 と私が言うと、「キャンセルするにしても、学年主任とも相談しなければならないので、明日学校に来てお話しください。」 とのことでした。

家で、子どもともう1度話し合いました。不安な活動はホテル待機にもできること、部屋割りなど心配なことももう1度考えてもらえることを話しました。息子は 「絶対楽しめないのに、行く意味があるの?何のために行くの?」 と納得できない様子でしたが、「先生が連れていきたいと言っている」 ということを話すと、少し心が動いたようでした。

《修学旅行に行く方向で考える》

次の日学校に出向いて、学年主任の先生、担任の先生と3人で話し合いました。親がついていく案は本人が嫌がっているので、行くとしたら完全に先生たちにお任せすることになること、おなかがすきすぎたり、疲れすぎたり、眠くなると、行動のコントロールが効かなくなること、食事のメニューを決める、買い物をするなど、意思表示をしなければならない場面でうまくできるかわからないことなどを話しました。

また、2泊3日の日程表を拡大コピーしたものをいただき、先生から細かい説明を受け、どういう心配があるか予想しながら、どの程度行動予定の調整が可能なのかを確認しました。行かないつもりで日程表をよく見ていなかったのですが、生徒だけで行動する班別活動が多く、考えていた以上に強行軍で、出されたものを食べ、流れに任せてついていけばいい、小学校の修学旅行とは違うものでした。息子が不安になり、怖気づくのもわかる気がしました。

一夜明けて、担任の先生は少し自信がなくなってきた様子でした。しかし、最終的に、「確かに心配なこともあり、うまくいくかどうかは賭けですが、やはり連れて行きたい」 と、学年主任の先生がきっぱり言ってくださったことで、私も気持ちが固まりました。出発当日朝のドタキャンも覚悟の上で、行くことを前提に準備を進めることになりました。

家で息子と話し、「楽しめなかったとしても、みんなと一緒に行けたということが残れば意味がある。自分だけ行けなかったとなるよりずっといい。目標は無事行って戻ってくること。おみやげは無理に買わなくてもいいから、旅行のお小遣いをできるだけ残して、帰ってきてからほしいものを買う。修学旅行に行かなかった場合は、旅行のお小遣い(1万3千円)もなし。」 ということで、本人も自分なりの目標ができ、納得した様子でした。


題名: 修学旅行について、ひとつひとつ不安を解消する
投稿日時: 2006-12-23 22:23:39
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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◆ 中学3年 4月の続き

《息子と不安な活動について話し合う》

息子が不安に思っていることは山ほどありました。この前まで何も文句を言っていなかったのに、いざ行くことに決めたらいろいろと言い出しました。一緒に日程表を見ながら、ひとつひとつ不安を解消する作業を行いました。

・まずは部屋割り。決まっていた子と2人の部屋はいやだと言い出しました。「うちの子が何もしゃべらないので、2人きりだともう1人の子も気まずいだろうし、つい余計なことも言ってしまうかもしれない。3人なら、2人がしゃべっているのを聞いていればいいので、3人部屋にしてほしい。」とお願いし、息子の希望でM君、卓球部のS君と同じ部屋にしてもらうことになりました。先生は体調不良とかなんとか理由付けをして、急な部屋割り変更のことを他の生徒たちにうまく話してくださったようです。

・1日目はホテルに到着するのが夜10時の予定でした。息子は就寝時間が遅すぎることを不安に思っていましたので、夜の選択コースには出かけず、ホテルで待機することにしました。

・「食事は各自で」という場面が度々あり、何を食べたいのか自分で決めて伝える自信がありませんでした。どこで誰と食べることになるのかを確認し、一緒の先生や生徒には、息子がメニューを指差して示すことを了解しておいていただくようお願いしました。

・慣れない場所での歯磨き、入浴など、友達と一緒に行動することが不安でした。「部屋に誰もいなければできる」と言うので、皆がホテルに戻る前に入浴して、早めにベッドに入れるようにお願いし、同室の子たちに体調不良ということにしていただき、その旨伝えていただくことにしました。

・息子が持っていくしおりに、薬を飲む、歯磨き、入浴、朝の荷物整理などの細かい活動内容と時間、注意事項を赤で記入させ、何をしていいかわからなくなったら、しおりを見て確認するように教えました。

・買い物に関しては、「周囲に知っている人がいるとできない」と息子が言うので、無理に勧めることのないように子どもたちに言っていただきました。

・2日目午後のディズニーランドでは、夜の8時ころまで遊ぶ予定になっており、活動が長時間にわたることが心配でした。途中までみんなと一緒に行動し、夕食を済ませたら、体調不良ということにして休憩室で休ませていただくことになりました。

・方向音痴なので、休憩室まで付き添ってくれる子をお願いし、また、帰りはまた迎えに行ってもらうことをお願いしました。休憩室の係の人には 「話すのが苦手な子が行く」 ということをあらかじめ伝えておいていただくこと、途中先生に様子を見に行っていただくことをお願いしました。

・3日目、各自昼食をとり、その後短時間で買い物をして、帰りの電車に乗る予定でした。リーダー格のK君が、できるだけ多くの店を回るため、走って買い物をすることを計画していたので、息子は「自分には無理」と言っていました。皆と別れて教頭先生や担任の先生と一緒に昼食を食べ、電車に乗るまでゆっくり過ごすことになりました。


題名: 修学旅行へ
投稿日時: 2006-12-31 12:20:59
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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◆ 中学3年 4月の続き

《出発の朝》

出発の日が近づくにつれて不安定になり、「行かないよ」と毎日のように言いましたが、出発当日は機嫌よく目覚め、順調に準備を進めることが出来ました。

息子にとって大きなチャレンジになるため、何が起こるかわからないし、駅前は車をとめるスペースもないので、主人も出勤を少し遅らせて、駅まで一緒に車で送ることになっていました。玄関を出て車に乗り込むときもスムーズで、余裕をもって駅に向かうことが出来ました。

駅に着くと、すでに半分くらいの生徒が駅前に集まり、ワイワイとおしゃべりしていました。「じゃ、いってらっしゃい。」と声をかけると、息子は「どこに並んだらいいかわからないから行かない」と言い、ブルブル震えて車を降りられませんでした。「しまった・・・いつも一緒に登校していたK君、T君と、乗り合わせて来るべきだった・・・」と後悔しました。交通渋滞を起こすわけにもいかないので、息子から生徒たちの集団が見えない、じゃまにならない場所に車を移動し、息子への説得を始めました。集合時間まで20分ほどありました。

「何を食べるか決められないから何も食べない」とか、「お母さんも一緒に来て!」など、1度じっくり話し合って結論が出ていたことを延々と蒸し返して、「行かないよ!」と息子は言い続けました。その一方で「ホントに行かなくていいんだね。後悔しないね。」と言うと、「うん」とは言わず、出発時間が気になって、「お母さん、見てきてよ!」と言うのでした。集合時間になったので、担任の先生を探し、「そこまで来ているのだけど車から出られない」ことを告げ、ぎりぎり何時何分までなら合流可能かということを確認しました。「出発式が終わると、みんな駅構内へ移動を始めるので、そのときがタイムリミットになる」とのことでした。

校長先生や生徒代表の挨拶などセレモニーが進む中、車の中で「ああでもない、こうでもない」と息子との問答が続きました。これまでも何度もこういう場面があり、息子は最終的には「参加したい」という気持ちに押されクリアすることができてきたので、私には「きっと参加できる」という楽観的な気持ちがありました。しかし、電車の出発時間は息子を待ってはくれないので、「やっぱりドタキャンかあ~」とどこかであきらめながら、息子には、「電車が出てしまったら、あとから追いかけることは出来ない。行きたいなら、今勇気を出して車から降りるしかない。行きたくないなら、行かなくていいよ。自分の問題だから自分で決めなさい。」と突き放しました。

出発式が終わったとき、息子は、「お母さんも来るなら行く」と言いました。私は「お母さんは何も準備していないから、これから家に帰って準備して後から追いかける。もう、みんな駅に向かっているから、誰も○○のことを見ていないよ。さあ、一緒に降りよう!」と息子を促し、ドアを開けました。生徒たちの最終組が駅に入っていくのが見え、担任の先生がすぐ近くで他の父兄の方と立ち話をしながら、さりげなく待っていてくださいました。

息子はやっと車を降りました。「お、○君、おはよ~。じゃ、行こうか。」と先生が声をかけてくれると、息子は何事もなかったかのように先生と一緒に駅へ向かって歩き出しました。駅前に到着してから50分ほど経っていました。


題名: このままじゃダメ?
投稿日時: 2007-01-04 17:27:18
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

◆ 中学3年 4月の続き

《息子の帰りを待ちながら、場面緘黙症について調べる》

親が一緒についていくことでうまく参加できるとは思えなかったので、私は最初から行く気はありませんでした。でも、あとから行くと言って送り出した以上そのまま放っておくわけにもいかず、先生と電話で連絡を取り、「ホテルを予約してなかったのでやはりどうしても行けない。」と、息子に謝っておいてもらえるようお願いしました。先生は、私が息子と直接電話で話すことも提案してくださいましたが、パニックの引き金になることを警戒してお断りしました。食事さえ取れていればなんとかなると思ったので、「もし、食事のメニューを決める場面で固まってしまって、何も食べないというような事態になったら、連絡ください。」とお願いしました。

「もしかしたら、途中で迎えに行かなくてはならないかな~?」と思いながら、息子がなんとか乗り切ってくれることを祈りつつ、自宅で待機していました。1度だけ先生の方から電話がありました。初日は表情が硬くて心配したが、夕食時には無事指差しで食べたいものを伝えることができ、しっかり食べた、次の日の午前中にはリラックスして笑顔が見えた、とのことでした。「それなら大丈夫。」と安心しました。

不登校の心配がなくなり、息子が学校生活を楽しんでいることに安心しきって、「このまま何事もなく、卒業さえできればいい。場面緘黙は治るも治らないも本人次第。なりゆきに任せよう。」とのん気に構えていましたが、「話せない」ということがどれほど不便で不安なことか、この修学旅行で改めて思い知らされました。そして、場面緘黙についてもっと調べてみようという気になりました。

めったに使わないインターネットで検索しているうちに、ガーンとショックを受ける内容のものを見つけました。「緘黙が中学以降も続くと、治療は困難を極め、その子の人生にも悪影響を及ぼす。」(どのHPだったか忘れました。すみません・・・)「場面緘黙は放っておいたらいけない?? えー!!そんなこと聞いてない!児相でも緘黙そのものを治そうとしてもダメって言ってたのに・・・」

でも、あちこちのHPをよくよく読んでみれば、アスペルガー障害型の子どもへの対応として児相から指導を受け、学校側へお願いしてきたことの多くが、緘黙児に必要な対応とだぶっているということに気付きました。そして、息子は着実に回復してきていると感じました。私は児相で正しい指導を受けることができたこと、中学校の先生たちがわかってくださって、一貫して適切な対応をしてくださったことをとてもありがたく感じました。

中学に入学して以来、「話すこと」についてはあきらめて過ごしてきたことが、息子の自己肯定感を育てる上でむしろプラスだったと思えました。リラックスして過ごせるようになり、身振り手振りのコミュニケーションが自然にできるようになった今こそ、何かしなくてはいけないと思いました。

いろいろ検索すると、海外では場面緘黙症に関する研究が進んでおり、成果も上がっていて、治療を受けることで場面緘黙が治った子どもたちがたくさんいることがわかりました。「日本は遅れているから、専門家の方からも、場面緘黙症の克服についてはほとんど指導がなかったのだ。」と気付きました。ネットからの情報でわかったことは、「段階を踏んで少しずつ慣れさせることが必要」ということでした。今できそうなことから始めようと思いました。


題名: こんばんは
投稿日時: 2007-01-04 21:40:07
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みちさん ご無沙汰してます。

前にも 書きましたが いつも こちらのトピックは ロムさせてもらってます。
うちの将来にも 大変 参考になると思ってます。
息子さん どんどん良い方向に向かわれてるようで おめでとうございます。
私も とっても うれしいです♪

>「緘黙が中学以降も続くと、治療は困難を極め、その子の人生にも悪影響を及ぼす。」

そう こんな事 書いてる所 あります (どこだったか? 思い出せないですが・・)
私も 過去 すごく ショックを受け 中学校までに なんとか!って 必死に 焦った時期あります。
早くなんとかしなくちゃ!って 一人 焦ってました。
でも 先生方は ほっとけばいい・・・とか 年月が経てば 自然に・・・とか。
専門家の先生方が そう言うんだからと 思ってましたが
私も ここを知ってから 少なくとも 支援は 必要だと思うようになりました。

そろそろ このトピックを 冊子にさせてもらおうと 思ってます。
何度も 読み返して 勉強させてもらいたいです。

今年も よろしく お願いします (*^_^*)


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