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題名:
投稿日時: 2007-01-13 18:02:36
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みちさん、こんにちは。

けいこさんのコメント、とてもよく覚えてます!
このコメント、私の書き込みが危なっかしくて、けいこさんが説明してくださったんですよね。
まだ、書き込み始めたばかりの頃です。なつかしい~と思いながらその頃を今、読み返していました。
(富重さんの7/8の記事中のコメントです。)

これから、このSMJとともに、息子さんステップアップするんですね。
続きを楽しみにしています。


題名: 「夏休みの学校で・・・」を息子に提案
投稿日時: 2007-01-13 22:38:19
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ははさん、こんばんは。

夏に富重さんのブログやこの掲示板で、みなさんの書き込みを読ませていただいたことで、私の生活はすっかり変わりました。本当に幸運な出会いでした。今、息子との取り組みと、この掲示板への書き込みが私の生活の中心になっています。


◆ 中学3年 7月の続き

《夏休みの取り組みを息子に提案》

「夏休み中に学校に行って、お母さんといっしょに誰もいない部屋で話すチャレンジしてみない?」と息子に持ちかけてみました。「お母さんと一緒にいたら変だからいやだよ。」と息子は言いました。

息子には
・学校で話すのが苦手な子は世界中にいて、少しずつ段階を踏んで練習して話せるようになった子がたくさんいる
・日本では遅れているけど、海外で研究が進んでいて、インターネットで調べてみたらそのことが書いてある英語の本やサイトが存在することがわかった
・すごく小さなステップで少しずつ慣れていくことが大事で、無理するとよくない
練習の場所を少しずつ教室に近づけていったり、話せる人も少しずつ増やしていくのがいい
話せる人、話せる場所、話せる活動から始めることが肝心で、学校で母親と話すことから始める方法で成功した子がたくさんいる
話せるようになるには繰り返しの練習が必要で、練習の回数が多ければ多いほど克服しやすくなる
・(息子が読みたいと言ったので、余計な情報が入るのを警戒し) 日本語で書いてあるものはないので、現在辞書を引いて解読中

と話しました。息子は 「そうなの?こんなのぼくだけかと思ってたよ。」とうれしそうでした。
息子は海外で成功例があるということに興味を示し、やる気になりました。担任の先生にお願いし、夏休みに学校内で親子で会話練習をする許可をとっていただきました。


題名: 夏休みの取り組み
投稿日時: 2007-01-15 16:10:14
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 255
◆ 中学3年 夏休み

《夏休みの学校で 1回目》   被服室で、母親と会話練習

午前中は部活動や運動会準備などで生徒の出入りが多いので、午後から学校に出かけ、被服室をお借りして息子と会話練習をしました。

被服室付近の廊下は、普段から人通りの多いところです。1年生の頃から、校内で唯一話ができるのは、校舎のすみっこの誰も来る心配のない個室に入ったときだけでした。それ以外の場所では、周囲に人がいなくても、息子は決して私とも口を利こうとしませんでした。でも、夏休みの午後は、日直の先生が2人いるだけ、たまに用事があって学校に来る生徒が少しいる程度なので、学校で発声することに慣らすにはちょうどいい環境だと感じました。(かなり暑いですが・・・)

息子は初め、廊下を人が通ることに神経質になっていましたが、次第に慣れてきて、それほど接近しなくても、聞こえる声で話ができるようになりました。会話練習の計画について息子と30分ほど小さい声で話し合いました。

話すのが怖いという気持ちを乗り越えるには、少しずつ怖いと感じることに立ち向かう経験が必要なこと
・失敗が続くと自信がなくなりやる気も起こらなくなるので、できるだけ小さなステップを踏んで、成功するようなチャレンジを考えるのが大切なこと
・1度クリアしたことをあまり長く続けていると、新しいことにチャレンジすることが怖くなるので、毎回少しでも新しい要素を加えて勢いを保ったほうがいいこと
・少しでも新しいことにチャレンジできたら「チャレンジ5(ファイブ)」のうち、「チャレンジ1」を記録する。もし予定以上に頑張れて思わぬステップアップが達成できたら、そのときは「チャレンジ2」や「チャレンジ3」を記録する
・「活動」「場所」「人」のうち、「活動」内容が変わることよりも、「場所」が変わることの方が大変で、「人」が変わることが一番大変なこと
教室で話すときに一番緊張するので、夏休み中に校舎内で少しずつ場所を変えて練習し、教室で話せることを目標にしたらどうか など

《夏休みの学校で 2回目》   被服室+付近の廊下で、母親と会話練習

被服室で話すことには慣れたようだったので、廊下を歩きながら話すことにチャレンジしてみました。それまで息子とは学校の廊下では話したことがなかったので、不思議な気持ちになりました。(夏休み以後も周囲に生徒がいなければ私と廊下で話すことに抵抗がなくなったようです。)帰り際、昇降口付近で、他学年の生徒が見える場所でも小さい声で話ができました。

でも、「この先、何人かの先生たちと話せるようになったら、親しい友達とも話す練習をしてみたら?」と提案してみると、「ぼくがしゃべると今までの友達との関係が崩れてしまうからいやだ」 とのことでした。

《夏休みの学校で 3回目》    教室+教室付近の廊下で、母親と会話練習

三階の教室に行ってみました。三階には全く人がいなかったので、むしろ被服室より抵抗なく話ができました。「このまま、誰もいない教室で延々と話してもあまり意味がないね。この際だから担任の先生に頼んで、夏休み中に教室で先生との会話にチャレンジしてみよう!」という話になりました。

《夏休みの学校で 4回目》    教室で、担任の先生+母親と会話練習

担任の先生の都合のいい時間帯をお聞きして、教室で3人で練習してみました。先生と向かい合う形で座り、無事発声することができました。先生と1対1でやるより、私がいるとかえって緊張するとのことでした。

《夏休みの学校で 5回目》   教室+校舎内のあちこちで、母親と会話練習

学校での取り組みとしては少し間が空いた形になったので、無理せず、校舎内をぶらぶらしながら話をしました。

同じ活動を同じ場所で何回も続けてもあまり意味がないということもあり、どこに行ってもあまりにも暑いので、冷房の効いている職員室でやらせてもらうことを息子に提案してみました。暑さにいいかげんうんざりしていた息子は、わりにすんなりOKしてくれました。

日直の先生にお願いし、次回から職員室でチャレンジさせていただくことになりました。

《夏休みの学校で 6回目》   職員室で母親と会話練習

初め抵抗があり、入室するまで時間がかかりました。日直の先生は職員室の真ん中寄りにいらっしゃったので、端っこの一番目立たない場所を使わせていただけることになりました。先生たちの本棚の上に書類などが山積みだったりして、先生たちから顔の見えないちょうどいい練習場所が確保できました。息子とささやき声で話をしました。

・担任の先生に慣れたら、次はどの先生となら話しやすそうか など

《夏休みの学校で 7回目》   職員室で母親と会話練習

入室は前回よりすんなりできました。日直の先生は毎日違うので、当然のことながら、いらっしゃる席も毎日変わります。隅っこの目立たない場所は確保できなかったので、前回より若干目立つ場所で練習することになりました。

息子は落ち着かない様子で、「もう止めようよ」と言うので、早めに切り上げました。

《夏休みの学校で 8回目》   職員室で、担任の先生+母親と会話練習

担任の先生が日直当番で学校にいらっしゃる日に、担任の先生と練習させていただけるようにお願いしておきました。職員室の若干目立つ場所で、他の先生たちも近くにいらっしゃったので、息子の視界に入らないように先生たちに背を向ける形で座らせました。

Q:旅行はどこに行ったの?
Q:○○まで、車で何時間くらいかかった?
Q:夏休みの宿題は全部できた? など


周囲に先生たち何人かいらっしゃったため緊張気味でしたが、小さな声で答えることができました。ただ、どう答えていいかわからないときの反応が少し気になりました。私もその場にいたため、つい口を出してしまいました。

《夏休みのその他のチャレンジ》

学校で取り組んでいることが自信になったらしく、夏休みには、その他にも成果がありました。これまでは、「お母さんが言って。」と自分ではやる気のなかったことにもチャレンジできました。どう言えばいいのか何度も確認したり紙に書いたりして、「お医者さんで自分の症状を説明する」「ホテルでカラオケルームを予約する」などです。

またうちの子は音楽CDを買い集めるのに夢中で、CDを買うためなら店の人に質問したり交渉したりするのも自分でやります。夏休みには、返品交換交渉も一人でやり、10パーセントOFFの品物を定価で買わされたと言って交渉し、差額を返金してもらっていました。(若干複雑なので最初言うことを紙に書き、それを暗記してチャレンジしました。)これがうまくいったのはよっぽどうれしかったみたいで、新たな自信になったようです。


題名: いざ実践するのは難しい
投稿日時: 2007-01-15 18:07:36
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Quote:

"みちさん"]夏に富重さんのブログやこの掲示板で、みなさんの書き込みを読ませていただいたことで、私の生活はすっかり変わりました。本当に幸運な出会いでした。今、息子との取り組みと、この掲示板への書き込みが私の生活の中心になっています。



私のブログや掲示板が少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです。

みちさんのご熱心な取り組みには頭が下がります。
場面緘黙症に限った話ではありませんが、
本や資料に書かれてあることは、読むだけなら簡単なんですけれども(英語は難しいですが)
いざそれを実践するのは難しいものです。

これからも、この掲示板でよければご自由にお使いください。:D
_________________________________________
:arrow: 記事の編集・削除は、こちらで受け付けております。
http://atbb.jp/smjournal/viewtopic.php?t=11


題名: 復習タイム
投稿日時: 2007-01-16 07:16:13
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ここで、1対1の会話練習に至る前段階のステップについて、
みちさんとみくさんの書き込みをまとめましたので、
「復習タイム」として載せさせていただきます。

そうなんですね。実践は、難しいです。
その子どもによって違うし、周りの状況も違うし、
その時その時、やれそうなことを柔軟にやる必要があるので。
みちさんと同じことはできないけれど、とても参考になります。

NO.8 発話へのステップ ~ビデオ録画・カセットテープ録音作戦

●目的と成果

①人に間接的に自分の話し声を聞いてもらうことで、「この人は自分の声を知っているから、直接話しても大丈夫かな」と、不安が減少される。(このあと、先生と1対1個室での音読・会話練習へ、ステップアップできた)
② 「自分の声は変だ」と気にしていたが、自分の思いこみを修正できる。
テープを聴いた先生たちから「いい声だね~」「読むのじょうずだね~」とほめられる体験ができた。
③先生が、緘黙児の学力を知ることができる。
④ひとつステップアップした体験が自信につながる。

●みちさんの作戦が成功した要因

①先生に「本当はこんなことができるんだよ」というところを見せたいという気持ちを育んできた。(連絡帳を通してやりとりを十分行ってきた・親を介して、先生とのコミュニケーションをとってきた)→先生と保護者の密な情報交換
②先生と親のサポートにより成功体験を積んできた。特に修学旅行に行けたことで、難しいことでもチャレンジしようという自信がついていた。→十分サポートして成功体験を積む
③音読が得意だった。小6までは教室で音読ができた。→得意分野を活かす
④原稿があるものが取り組みやすい。→自由度の低い課題を選ぶ
①幼稚園の年長時、幼稚園で全然動けなかっため、楽しく泳いでいる姿を先生に見てもらいたく思い録画、子どもの了解をとって先生に見ていただき、とてもほめられた体験があった。。→ビデオを撮って家族で見る、親しい人に見てもらうなど、ビデオになれておく。ビデオに関して楽しい体験を積む。


題名: SMJの場面緘黙症理解のための資料
投稿日時: 2007-01-22 16:47:01
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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富重さん、すっかりお世話になっています。私の話はまだ時間がかかりそうですので、ずうずうしいようですが、もうしばらくこの場所を貸してくださいね。

けいこさん、いつもわかりやすくまとめていただき、ありがとうございます。けいこさんの書き込みによって私の頭の中を整理するときにも助かっています。

◆ 中学3年 夏休みの続き

《資料を参考に取り組みについて考える》

夏休みの取り組みでそれなりの成果があり、担任の先生とは「活動」、「場所」ともにステップアップできそうでしたが、その先、どこに目標を定めて、どういうステップを踏んでいけばいいのか迷っていました。息子に親しい友達との会話を目標にすることを提案したところ、拒否感が強く、周囲に生徒がいないときに学校で話すことができても、この先、同級生との日常会話や教室での発言につなげられないとしたら、あまり意味がないのでは・・・もう遅すぎるのではないか・・・打つ手がないのでは・・・と弱気になっていました。

そんなとき、SMJで新しく出た資料No.3を読ませていただき、特に「15 予後について」の最後の文「人とのコミュニケーション体験の1つ1つが、必ず緘黙児の将来の心の糧となる。」を読んで勇気づけられました。どんなに小さな取り組みでもきっとプラスになると信じて、引き続き子供を励ましていこうと思いました。

この掲示板の「緘黙治療中の方!」のトピック(8月16日)で、資料に関していくつか質問し、富重さんやけいこさんにアドバイスをいただきました。(たびたびすみませんがここに貼り付けさせてください)

富重さん wrote:
◆ No.3の13 不安軽減を目標とする認知行動療法CBT

認知行動療法は、場面緘黙児に限らず、極度の不安を持っている人に施される治療法として有名のようです。

場面緘黙児の場合、既にみちさんが実践されているように、最初は話をしやすい場所、人で話をしてみる。それができたら、もう少し難しい場所、人で話をしてみる。こうして、少しずつハードルを乗り越えさせて不安を軽減させる、そういう方法です。どういうハードルを選ぶかはセラピストが注意深く決め、プランを練ります。子どもがハードルを乗り越えるたびに、セラピストや親は、思いきり褒めてあげます。このCBTに入る前に、ストレス緩和のための運動(Relaxation exercises)をしたり薬物療法を組み合わせたりすると効果的なこともあるようです。

ある程度年齢が上の子どもの場合、自らにもCBTのプランの立案に参加させるのもよいです。こうすることによって、子ども自身が自分の不安を確認できますし、また、成功を実感することもできます。

(シポンブラム博士が監修する selectivemutism.org の記述を参考に書きました)


いつも薬を処方していただいているお医者さんに、認知行動療法のことを質問してみると、「要するに、どんなときに不安になるのか本人と話し合いながら、少しずつ慣れさせていくことでしょ。」とのことでした。「あ、難しく考えることないんだ・・・素人でもできないことはないかも・・・」と安心しました。今やっていることが認知行動療法につながるものなのだと納得しました。

けいこさん wrote:
◆No.1の3「言葉を話さないという現在の行動様式を『捨てる』よう援助する方法が治療の重点に置かれるべきです」

『捨てる』のもとの単語はunlearnで「習癖を捨て去る」です。長い間緘黙だった子どもは「言葉を話さない」ことで適応し安定していますが、ほんの少しだけリスクをおかして、新しいステップにチャレンジするよう促していくことが大切という意味と思います。


「友達とはしゃべりたくない」とついこの間まで言っていた息子でしたが、夏休み後半、練習が次第にレベルアップしてきたら、友達との会話練習に関しても前向きなことを言い出しました。本人との話し合いは大事だけれど、あまり先の目標を相談するのは、プレッシャーがかかるからよくないのだと気付きました。今やっていることを十分練習し自信がついたら、欲張らずにちょっとだけ先の目標について話し合うようにすると拒否反応が少ないようでした。あまり先に先にと考えすぎてはいけないと反省しました。あせらずゆっくりスモールステップで進むことが、「現在の行動様式を捨てるよう援助する」ことにつながるのかな・・・と感じました。

◆11(2)「特定の場面で自分がどれだけ『恐怖を感じているか』、子供が確認できるようにする」

 緘黙児に自分の不安を0~5点(小さい子どもなら0~3点)で得点化させる方法が、シポンブラム先生の他の本に載っています。5点(すごく怖い)~0点(大丈夫)というふうに。私は、これに2つ意味があるのではないかと思います。1つは緘黙児自身が「しゃべる-しゃべれない」にとらわれないようにすること。もう1つは、自分の中に起こってくる不安を自分で捉えその程度を測ることによって、その子の不安への対処力を育てていくことです。自分の状態を知るということは、不安に襲いかかられる受け身的な状態から、不安に立ち向かう能動的状態への第1歩と思います。

 
息子との取り組みの中で、さっそく得点化を試してみたいと思いました。

◆No.2に「計画の作成を支援してもらうために、場面緘黙症の治療を行う力量のある専門家が必ず必要」とありますが、身近にそういった専門家が見つからない場合、母親がその代わりを務めるしかないのでしょうか?

資料No.2はアメリカの文献なので、そのままを日本にあてはめることができないです。日本ではなかなか専門家が見つかりにくいですものね。なぜ「計画の作成を支援してもらうために、場面緘黙症の治療を行う力量のある専門家が必ず必要」なのか、専門家の役目は2つあるように思います。1つは「指導者」1つは「伴走者」です。

「指導者」としての専門家は今の日本ではすぐには見つからないかもしれませんが、「伴走者」としての専門家は見つからないでしょうか。子どもにはおかあさんという伴走者が必要ですし、そのお母さんを支える「伴走者」が誰か必要だと思うのです。誰かいっしょに走ってくれる人がいると、自分がどこをどう走ってるのかわかるし、次にどっちへ向かって走ったらいいかわかりやすいです。


それまで、スクールカウンセラーに相談することは考えたことがありませんでしたが、近所のクリニックの医師の勧めもあり、けいこさんの「伴走者」としての専門家という言葉に納得して、夏休み明けに相談にのっていただくことにしました。


題名: 資料No.1~No.3を提出
投稿日時: 2007-01-24 23:58:31
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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◆ 中学3年 8月

《学校側に資料を提出し、スクールカウンセラーを予約》

論理的根拠が整理しきれていないうちは、私は学校側に多くのことをお願いすることに躊躇していました。
しかし、”Helping”本や場面緘黙症Journalの資料の内容が自分なりに理解できたことで、自信をもってお願いする気持ちになれました。

それまで以上の理解と協力を得るため、資料を準備することにしました。
場面緘黙症Journalの資料No.1~No.3をプリントアウトし、また、”Helping”本について、自分の理解の範囲内で、夏休みに息子に話したようなことをまとめてみました。忙しい先生方に無理なく読んでいただけるように、内容はできるだけコンパクトに、息子の場合に役立ちそうなものにしぼってまとめ、伝えたいことは太字にして強調しました。特別支援コーディネーターの先生と担任の先生、スクールカウンセラー(SC)の先生の分の3部用意し、SCの予約をお願いしました。

先生に資料をお渡しする際、

・先生との1対1の会話成功の次に授業中の音読にチャレンジさせたのは、最初から無理な設定だったこと
成功するようにもって行くことが大事で、無理をさせると話すのをやめる原因になってしまうこと
「人」がかわることが一番負担のかかることなので、もっと細かいステップが必要なこと
・やってみないとわからないけれど、海外で成果の上がっている治療プログラムなので、やってみる価値はあること

などをお話しました。

「この夏に出たばかりの資料なんですよ」と話したら、「すごいですね~。お母さん、私たちに運が向いてきたと思いませんか?」と、先生は感激していらっしゃいました。

《目標をしぼる》

8月19日のけいこさんの書き込みで
・中学生になると「学校」の中で「人」ラダーを同年代にのばすのが難しい。
・軽度発達障害の特徴が全くない緘黙児でも、長い間友達と話をしてないと、友達とどう話していいかわからないことも多い。
・先生と話せるようになった中学生の緘黙児が、次のステップへ向かう時の難しさは
   「友達の前だと話せない」
   「友達との話し方が分からない」
   「友達との練習機会の設定が難しい」と課題が多い
・例えば、「人」ラダーの先を友達にのばすのを急ぐよりも、中学校ではまず、今話せる大人とたくさんコミュニケーションの練習をして「どう話したらよいか」話し方のパターンを学ぶことが実り多いのではないか。


とアドバイスをいただきました。

私としてはこの先どういうステップを踏んでいけばいいか迷っていましたが、資料を読んだり、掲示板でアドバイスをいただいたり、息子と話をしたりするうちに方向が見えてきました。

私立高校専願入試の面接試験は実際にはそれほど厳しいものではなく、事情を伝えておけば、仮に息子が当日全く話せなくてもそのことで落とされる心配はないと聞いていました。でも、「面接でしっかり受け答えしたい。」と息子は思っているようでした。
また、「高校に進学したら、授業中の特別扱いをお願いするのはいやだ。」という本人の気持ちははっきりしていました。

小学校でできていたことと息子の希望も踏まえて、目標をしぼることにしました。

・本格的な面接練習につなげていけるように、個室での先生との1対1の練習では
open-ended question(Knet資料No.3)
http://kanmoku.org/handouts.html
にも答えられることを目指す。
・同級生との自由会話を目指すのではなく、(小学校ではできていた)授業中の音読や簡単な質問に対して答えられるようになることを目標にする。


題名: スクールカウンセラーとの初めての面談
投稿日時: 2007-01-25 15:27:32
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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◆ 中学3年 8月24日

《SC面談1回目》

SCの先生との話し合いの内容を書きます。

◆今後の進め方について」
担任の先生との練習の中で、「活動」「場所」を徐々にステップアップさせることを考えつつ、本人が希望する「教室での発話」を目指す方法を探っていく。

◆「活動」のステップアップに関連して
成功体験を積み重ねていくことが大事なので、失敗しないステップアップの方法を計画する必要がある。また、同じことを長く続けていると次へのステップを踏み出しにくくなるので、勢いを維持するようほんの少しでも新しいことを取り入れ、本人が達成感を得られるようにもっていく
担任の先生との会話の内容を発展させていくことが必要だが、先生が一人で考えるには負担が大きいので、今後、スクールカウンセラーがアドバイスをしていく
内容としては、さしさわりのない会話の中に、自分の趣味のことなど自分を表現するようなものも少しずつ盛り込んでいく。あらかじめ内容を教えておいて予行演習のできるものや、「自分の長所はなんですか?」など、面接試験に近いものもこの先考えていく。
なんと答えていいかわからないときの答え方を教え、練習させることも大事。
「練習の回数は多いほどよい」ということなので、1回5~6分で週3~4回くらいのペースで、練習する時間を確保する。

◆「人」ラダーのステップアップに関連して
中学校卒業までに、クラス全員とまではいかないまでも、親しい5~6人の生徒に声を聞かれても平気なように練習することを目標にする。

この先、もし順調に「人」を増やすことができたら、授業中の簡単な質問に答えられることを目指すため、得意科目であり教科担任に苦手意識のない英語の授業をターゲットにする。授業内容に口出しをすることには若干難しい問題もあるが、今までの授業形態のままでは実現不可能なので、少し変更していただくことを含め検討してもらえるよう、SCの方から教科担任へ交渉を持ちかける


いろいろと収穫があり、「こんなことならもっと早くお会いしていればよかった」と思いました。SMJの資料No.1,2,3も生かしていただけそうで、期待が大きく膨らみました。

SCの先生からは、おそらく口頭でお話があるだけだろうと思ったので、相談の内容を思い出しながら整理し、プリントアウトして、担任の先生にお渡ししました。


題名: 2学期の取り組み開始
投稿日時: 2007-01-26 15:01:30
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
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◆ 中学3年 8月27日(日)

《友達M君とのメール交換を始める》

息子が、修学旅行の前後から親しくなった友達M君と、パソコンでメール交換を始めました。(このトピックの1ページ目9月24日に書き込みしました。)コミュニケーションのいい練習になればいいなと思いました。

◆ 中学3年 9月

《SCからの連絡を待つ》

SCの先生は「担任の先生と相談して今後のことを連絡します。」とおっしゃっていたのですが、なかなか連絡は来ませんでした。いつまでに連絡を入れてもらえるのか確認しておくべきだったと後悔しました。(うちの学校の場合、SCとの連絡は学校を通さなくてはならず、保護者が直接連絡をとることはできません。)

学校での取り組みもストップしていました。新学期が始まって2週間ほど経っていましたが、学校側の新しい動きはありませんでした。運動会準備等忙しいのはわかっていましたが、夏休みの取り組みやSCとの話し合いで、「いよいよ動き出しそう・・・」と、期待が大きく膨らんでしまった分、待つ時間が長くつらく感じられました。

運動会が終わっても何も動きがなさそうだったので、学校に出向いて再度取り組みのお願いをしてみました。先生はやる気満々なのですが、現実問題として忙しすぎて時間がとれないといった印象でした。SCからは担任の先生にも何の連絡もなく、忙しそうでなかなかつかまらないとのことでした。SCの先生も何校も掛け持ちで、オーバーワーク気味の印象を受けました。

◆ 9月14日(木)

《担任の先生と個室で会話練習 2学期1回目》

息子は久しぶりに担任の先生と会話練習をしてきたようでしたが、あまりうまくいかなかったようで、うれしそうではありませんでした。先生からの質問は今までのものとほとんど同じで、どう答えたらいいかわからず黙り込んでしまったのが2問くらいあったようでした。

「先生が一人で会話内容を考えるのはもう限界なのかな?」
「先生ばかりに頼っていないで、家でも何かやらなきゃいけないかな・・・?」
「お友達と話すのは当分無理と決めつけないで、友達にもアプローチしてみようかな・・・」
といろいろ考え始めました。


題名: 友達への電話チャレンジ
投稿日時: 2007-01-27 23:02:42
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登録日時:2013-10-18 04:45:31
投稿記事数: 255
友達M君とのメール交換では、相手の気持ちを考えながら、一方通行でない自然なやりとりができているようでした。声こそ出ないけれど、あと一歩のところまで来ているかんじがしました。学校でのチャレンジが停滞気味だったこともあり、家でできるチャレンジとして、「友達と2人きりで顔の見えない会話」=「電話」 を思いつき、息子に提案してみました。私自身も緊張する相手と電話で話さなければならないとき、一字一句言うことを紙に書き出すことをたまにやりますが、原稿を準備すれば息子がM君と話すこともできそうな気がしました。

◆ 中学3年 9月20日(水)

《M君へ電話チャレンジ 原稿つき 1回目》

私が提案した日、息子は「やだよ」と言っていましたが、数日後欲しいものができて、急に「やる!」と言い出しました。詳しい内容は、1ページ目9月24日~25日に書き込みましたが、やり方は次のとおりです。

・電話をかける前に、子供と話し合って何を話すか決め、原稿を読めばいい形にして紙に書かせる。
・M君には、前もって私の方から電話し、会話の練習であることを告げ、うまく行かなかったときのことも含め打合せをする
・家の人が出てしまうと複雑になるので、M君に直接出てもらえるようにお願いし、5分後にかけることを約束する。
・5分後に、子供に原稿を持たせ、自分で電話をかけさせる。

原稿片手にではありましたが、棒読みではなく自然な感じで、しっかりとした声で話すことができ、最後には原稿になかった言葉も出て大成功でした。電話が終わった後の息子の様子から、友達に対しての発声は、それまでの大人とのチャレンジとは比べ物にならないくらい緊張したことがわかりました。友達に電話をかけたのは、小学3年生の夏以来6年ぶりでした。

《得点化を試す》

いい機会だと思ったので、得点化を試してみました。

緊張レベル0(全く緊張しない) ~ 緊張レベル5(すごく緊張する) のうち、
・担任の先生との個室での初めての会話練習 : 緊張レベル4
・2学期になってからの先生との会話練習 : 緊張レベル0
・初めてのM君への電話 : 緊張レベル5
とのことでした。

最初はすごく緊張しても、回数を重ねるごとにだんだん緊張しなくなる」ということを息子と確認しあいました。


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