行動の三つの水準

概説

社会的場面におけるコミュニケーションが成り立つための階層構造を示したもの。 第一の水準は動作・態度表出、第二の水準は他者との感情・非言語表出、第三の水準は言語表出。 これらは階層構造をしていて、その最も基礎の部分に「動作・態度表出」が、 その上に「感情・非言語表出」が、最上層に「言語表出」があります。 緊張が加わると、上の階層から順に壊れてゆきます(河井ら、1994)。

コメント

平たく言うと、緊張するとまず話せなくなり、 さらに緊張すると感情も出せなくなり、 もっと緊張すると動作も鈍くなるといったところでしょうか。 これをもとに、緘黙の程度を三段階に区別することができます。

私の説明では分かりにくいですが、三段階のピラミッド状の図をご覧になれば、 ああこれのことかとピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。 『場面緘黙Q&A』など、近年でも引用されていて、 ご存じの方も少なくないだろうと思います。

初出は河井夫妻の『場面緘黙児の心理と指導』です。

文献

◇ 河井芳文、河井英子(1994)『場面緘黙児の心理と指導―担任と父母の協力のために』田研出版。