スモールステップ

概説

緘黙児支援でスモールステップという場合、発話を促すために段階的な手順を踏んでいくことをいいます。 これには行動療法の考え方が背景にあります。 『場面緘黙児への支援』では「会話力の階段」という表現が登場します。

コメント

スモールステップという言葉は何も緘黙支援に特有のものではなく、 行動療法ではよく目にするものです。

このスモールステップという言葉を緘黙支援で見かけるようになったのは、かんもくネットによるところが大きいのではないかと思います。 かんもくネット関係の一部書籍(『場面緘黙Q&A』『どうして声が出ないの?』)や資料で、この言葉がキーワードになっています。

これら書籍や資料が出る以前には、スモールステップという言葉は緘黙支援ではあまり目にすることはありませんでした。 例えば、かんもくネットの本が出るよりも早く、 行動療法による緘黙児への支援法を示した本『場面緘黙児への支援』(翻訳書)が刊行されていますが、 これにはスモールステップという言葉はまだ見えません。

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「スモールステップの取り組み」という表現が『場面緘黙Q&A』や『どうして声が出ないの?』にありますが、 これは分かりやすくて感心しています。 例えば「行動療法」「エクスポージャー」と言われてもピンときにくいですし、 「暴露療法」という言い方は難しい上、言葉の響きがあまりよろしくありません。