緘黙の治し方について

「緘黙 治し方」と検索される方が多くいらっしゃるようです。緘黙がある当事者の方でしょうか。

検索される方のために克服方法をお伝えしたいところですが、さすがにこれは、専門家に相談していただくのが一番です。 緘黙の状態像は様々で、人にもよります。

ですが、参考になりそうな情報ならご紹介することはできるかもしれません。 緘黙がある方向けにお伝えしたいと思います。 なお、私は専門家ではありませんのでご注意ください。

参考になりそうな情報

「話すことがむずかしいあなたへ」

◇ 「話すことがむずかしいあなたへ」

自分を変えたい、話せるようになりたい--こうした緘黙の人向けに、そのための具体的な方法を示したマンガです。 話せる場面をスモールステップで増やしていくもので、本格的です。はやしみこさん作。

サキ君の動画

6分30秒頃から、緘黙の克服の話が始まります。 かつて緘黙だった、ギリシャ系オーストラリア人の若者の動画です。日本語字幕付き。

サキ君の克服方法については、この動画の字幕を担当された方のブログ記事が参考になります。 ⇒ サキ君の動画について(その5)-緘黙とエクスポージャー法-

ただし、これはあくまでサキ君の場合の話です。 ステップの踏み方など、サキ君と同じ方法をそっくりそのまま他の人にも当てはめればよいわけではありません。

かんもくグループ(北海道)のFacebookページ

◇ かんもくグループ(北海道)のFacebookページ

「かんもくグループ」の Facebookページでは、認知行動療法の考え方が紹介されることがあります。 Facebookに登録されていない方でもご覧になれます。

この Facebookページそのものは、北海道を拠点とする緘黙のグループの開催情報が中心です。 臨床心理士の広瀬慎一氏が運営。

When the words won't come out

◇ When the words won't come out (PDFファイル377KB)

※ PDFを閲覧するには Adobe Reader が必要です。こちら新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

英語の資料です。 10代の若者や成人の緘黙児者を対象に、緘黙や不安のメカニズムの理解、それを克服する方法などを10ページのブックレットでまとめています。 よい資料だと思うので、英語に自信のある方は読んでみてください。

なお、この資料は、イギリスでは緘黙治療の定番の本 The selective mutism resource manual(第2版)の付録の一部です。 著者は言語聴覚士。

基本的考え方

上の資料等も参考にしながら、緘黙の克服を考えるにあたっての、基本的な考え方を書いてみたいと思います。

緘黙や恐怖症は克服できる

恐怖症は治せます!何歳ででもです!(phobias can be cured! At any age!)

先ほどご紹介した英語資料の一文です(6ページ)。 この資料を元々収録した本でも、緘黙や恐怖症は克服可能であると繰り返し書かれてあります(Johnson and Wingtgens, 2016)。

スモールステップで、不安に敢えて身をさらす

「話すことがむずかしいあなたへ」とサキ君の動画に共通するのは、スモールステップで不安に敢えて身をさらしていることです。 先ほどのサキ君の動画の字幕を担当された方のブログの言葉をお借りすれば、エクスポージャーです。 これは、緘黙の治療でも一般的な方法です(例えば、Bergman, 2013; Johnson and Wingtgens, 2016; Kotrba, 2015; Perednik, 2016)。

緘黙はスモールステップで不安に身をさらすことで克服できるというのが、専門家の間での、大体の共通認識ではないかと思います。

勇敢に!

海外では、緘黙児者への支援で、よく「勇敢な」という言葉が使われます(例えば、Johnson and Wingtgens, 2016; Jonge et al., 2013; Kotrba 2015; Miller, n.d.)。 不安に身をさらす時に、勇気を出そうということでしょう。 上でご紹介した資料等にはこの点について書かれてありませんでしたが、海外ではよく言われることなので、敢えてここで取り上げたいと思います。

ただし、やみくもに「勇敢であれ」「勇気を出せ」などと根性論のようなもののみでは、いけません。 場合によっては、逆効果になることもあるでしょう。 あくまで、少し不安を感じるようなことからスモールステップで。

不安のメカニズムの理解、認知行動療法の考え方

10代以上など年齢が上の緘黙児者の場合、認知面への介入が検討されます(Johnson and Wingtgens, 2016; Perednik, 2016)。

「かんもくグループ」の Facebookページや、英語資料 When the words won't come out は、 不安のメカニズムの理解を深めたり、認知行動療法の考え方を知ったりするのに役立ちます。

最後に

色々と書きましたが、できれば自力のみで克服しようとするのではなく、専門家に相談していただきたいです。 サキ君も、プロの心理士に助けを求めた上で、スモールステップでの克服に挑戦しています。