英米の緘黙児支援、日本に影響を与える

「欧米は日本より進んでいる」と安易に言うのは好きではないのですが、 英米の緘黙児支援や研究には学ぶべき点が多いです。 英米と日本との落差を埋めようと、日本の緘黙支援団体などが、これまで努力を傾けてきました。

英米加の進んだ緘黙児支援法

英国や米国、カナダでは、 場面緘黙症の有力な支援団体や専門の研究治療センター、「場面緘黙症科」のある病院などがあって、 緘黙児支援のためのノウハウが豊富に蓄積されてきました。 しかも、そのノウハウは本やセミナーなどのかたちで多くの人の間に広められてきました。

日本でも緘黙児支援は行われてきたのですが、英米加のようにまとまったノウハウが蓄積され、 しかもその成果が広まるということはあまりありませんでした。

そこで、2000年代後半から、こうした海外の研究成果を日本に紹介する動きが出てきました。 かんもくの会やかんもくネットといった支援団体が結成され、翻訳書が出版されたり、 海外資料の翻訳配布が行われたりしてきたのには、こうした背景があります。

英米では大手メディアで場面緘黙症が何度も取り上げられる

また、日本の大手メディアで場面緘黙症が取り上げられるのは極めて珍しいですが、 英米ではこうしたことが日本よりも高い頻度であります。

日本でも、近年、緘黙支援団体の働きかけなどにより、全国紙の地方版や地方紙などで緘黙が取り上げられる機会が増えてきています。

英語圏での場面緘黙症の学術研究

この他、欧米の一部の国では、場面緘黙症をある程度専門的に研究している専門家がいます。

日本では、2000年代中頃に、かんもくの会が中心となり、日本には緘黙に注目している研究者がいないという問題意識が インターネット上で広まったのですが、こうした問題意識を受けてか、近年、緘黙に関心を持つ専門家が現れてきています。