肉まんバレンタイン

概説

2月14日のバレンタインデーに、コンビニエンスストアで肉まんを買ってみようという呼びかけ。 緘黙に関わる人たちの交流であり、啓発であり、その発信です。 もちろん、強制ではありません。

緘黙当事者の中には、コンビニエンスストアで肉まんを買うこともできない人もいることなどから、この取り組みが行なわれました。 緘黙に関わる人だけでなく、緘黙を初めて知った人、緘黙に関心を持っている人にも呼びかけられました。

毎年何人もの人がこの呼びかけに応じ、SNSで購入した肉まんの写真を投稿されました。

「かんもくの声」の呼びかけにより、2016年に開始。 2021年からは、「かんもくの声」は呼びかけを行っていません。

コメント

購入方法は問わない

当初は、以下のような文書を店員に提示して購入を行なうものでした。

「肉まん、ください」

私は「場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)」です。
緊張や不安で、声が出ない場合があります。

ですが、現在は購入方法は問いません。 声を出して買っても構いません。

『学校における場面緘黙への対応』

肉まんバレンタインの影響かどうかは分からないのですが、『学校における場面緘黙への対応』という本に、次の記述があります(高木, 2017, p.13)。

緊張して電話ができない、コンビニのケースの中の豚まんが注文できない、本当は割り箸をつけてほしかったのに言えなかった、 などという経験をしたことがある人はいると思う。

なお、近畿地方では「豚まん」という呼び方をすることが多いです。 近畿では肉というと、多くの場合、牛肉を指すからと聞きます。 神戸は豚まん発祥の地とも言われており、「KOBE 豚饅サミット」を毎年開催しています。

店員に声を掛けなくても中華まんが買えるコンビニが話題に

セブンイレブン百万遍店(京都市)は、店員に声を掛けるのではなく、 メニュー名が書かれた札をレジに持参することで中華まん等を買うことができるようにする、独自の試みを行なっています(2019年1月現在)。 このことは2019年1月、インターネット上で大きな話題になりました。

↓ J-CASTニュースへのリンクです。

◇ セブン某店で「レジ横」品ユニーク注文法 「これはいい」「全国展開を」

緘黙に関係ある方の間でも話題となり、もしかすると肉まんバレンタインの影響かと沸き立つ向きもありました (本当にそうかどうかは分かりません)。

緘黙RPG

私が2015年7月に試作版を初公開し、2016年2月に完成版を公開したスモールステップ実践ゲーム「緘黙RPG」では、 コンビニで肉まんを買う取り組みが登場します。

◇ 緘黙RPGフルプレイ動画part4「コンビニで、肉まんを買う」

これは、海外で緘黙児がアイスクリームを買う取り組みがあることや、 『どうして声が出ないの?』という本の中でコンビニで買い物をする取り組みが載っていたことから(はやし, 2013, p.48)、着想したものです。

ただ、緘黙RPGの主人公の居住地は近畿地方を少し意識しています。 ですので、「肉まん」ではなく「豚まん」にするべきだったと今にして思います。

◇ 肉まんバレンタイン2016(最初の年)