SMJ制作動画

場面緘黙症Journal は「場面緘黙症(選択性緘黙)」と題する緘黙の解説動画を、2007年12月に YouTube で公開しました。 この YouTube 動画の再生回数が、2017年5月に3万回の大台に乗りました。 ご視聴、ありがとうございます。

ただ、改めてこの動画を見返すと、この緘黙の説明は少し古くなったように思います。 そこで、この動画について、補足コメントを加えたいと思います。

なお、お話した通りこの動画の説明はやや古いので、補足コメントを加えたこのページのみの、事実上の限定公開にしました。 公開中止も検討したのですが、実はこの動画は、緘黙をテーマとした日本初の YouTube 動画であることから、 こういうかたちで残すことにしました。

動画

補足コメント(併せてお読みください!)

場面かんもく症(選択性かんもく)
家では普通に話せるのに、心の問題が原因で、学校などで話ができない情緒障害です。

当時、緘黙は心因性という説明を目にすることが、今よりも多かったように思います。 その影響を受けています。

「情緒障害」は、今なら「不安症(不安障害)」の方が適切ではないかと思います。 2013年、米国精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアルが改訂され、緘黙は「不安症(不安障害)」に位置づけられました。 緘黙は、不安症(不安障害)という見方が一般的です。 「情緒障害」は、ここでは日本の行政用語で、医学用語ではありません。

1%以下の子どもに見られる症状だと言われています。

当時、日本では緘黙の出現率調査は長らく行なわれていませんでした。 そこで、日本でも広く使われていた、米国精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアルから、 1%以下という数字を引くことにしました。

ただの内気な子、シャイな子ではありません。

この一文は、拘った箇所です。 緘黙をただの内気やシャイ、人見知りなどと誤解する人が当時からいたためです。 今の私がこの動画を作るとしても、この一文はやはり入れるでしょう。

こうした子どもたちは、ただ話せないだけでなく、学業が振るわなかったり、 友達ができなかったりと、様々な問題を抱えていることが多いです。

『場面緘黙児の心理と指導』という本では、教師が評定した緘黙児の知的能力レベル(n=42)が低い方に偏っていたことが示されていました。 また、DSM-IV-TR の選択性緘黙の診断基準では、緘黙が学業等の妨げになっていることが要件に入っていました。 ただ、この一文は、もう少し慎重であってもよかったように思います。

かんもくの子を見かけたら、発語を強要せず、自信をつけるように接してあげてください。

最後の一文は、どう接して頂きたいかを書いています。